天然記念物とラムサールのダブルタイトルだが。
穴地獄。じつに独特の景観である。
国の天然記念物およびラムサール条約登録湿地。
現地の案内板を読むと、もともとは噴火でできたすり鉢状の爆裂火口湖で、硫酸を含んだ水質のため、動物が落ちれば生きては戻れない。何とも怖ろしい池・・そんなふうに思ってしまったが、どうもこの案内板の表現は微妙なところがある。
実際のところ、鉱山会社が採掘した露天掘りの穴に酸性の湧水が噴き出し、動物がはまると死ぬことから穴地獄と呼んだ、という説明の方が現実的だろうか。それなら穴地獄は昭和時代に生まれたものとなる。
なんたることだ。露天掘りの跡なら、天然ではなく採石場跡湖(丁場湖)の一種ではないか。でも天然記念物の主役はチャツボミゴケだから、この場合、人間と自然の合作というべきだろうか。
そんなことを考えながら立ち尽くしていたが、狭いボードウォークの上。後から後から観光客がやって来て通行の邪魔になりそうなので、前に進む。
沢の水が細流となって岩肌をすべり落ちながら、いくつもの小さな池を造っている。強酸性を好むめずらしい苔類であるチャツボミゴケが池の岸を縁取り、えもいわれぬ不思議な文様を描きだし、何とも奇妙な景観。
一帯はチャツボミゴケ公園として整備され、ビジターセンター、大駐車場も完備。
ただし駐車場から穴地獄は1kmほど離れており、シャトルバスと遊歩道でアプローチする。シャトルバスと駐車場は無料だが、入園料600円がかかる。
穴地獄の奥にある水池、大池、平兵衛池に行くにも、穴地獄を経由するルートをとる場合は入園料を払う必要があるので注意。
穴地獄へのアクセス
大駐車場付きのビジターセンターで入場料を払い、簡単なガイダンスを受ける。
シャトルバスは無料で利用できるが、徒歩ルートを選択することもできる。
下の写真はシャトルバスの終点。
シャトルバス終点から先は左に沢を見ながら徒歩で進む。途中、褐鉄鉱の露頭も。
300mほど沢沿いに歩けば穴地獄が見えてくる。
穴といっても、今は盛り上がっていて、むしろ小山。
山池さんぽマップ
現地案内板
案内板のマップが充実していて助かった。
草津白根エリア内の湖沼群が写真付きで紹介されていて、心ときめく。
Google マップ
マークした場所は、チャツボミゴケ公園の駐車場。