沖縄本島から船で2時間。離島の水事情を支える池群
この日、当初は慶良間諸島の座間味島にある座間味ダムを初訪する予定で那覇の泊港フェリーターミナルへ。
泊港は沖縄の各諸島へのフェリーが大集結してワクワクする港。しかし波が高く座間味島への高速船は欠航。一方、粟国島へのフェリーは出航するというので、急きょ行き先を変更。
粟国島(あぐにじま)についてはほとんど知識もなく、およそ2時間の航路の厳しい船酔いに悩まされつつ島に到着。レンタルサイクルで島をめぐってみると、地形的や立地的に水の確保に苦労した島ならではの、おもしろい池たちに出会えた。
なお、現在の粟国島における生活用水は2004年に供用開始した海水淡水化施設によってまかなわれている。
粟国島のいろいろな池と水利設備
トゥージ(家庭用の石製貯水槽)
粟国島は平たんで、川が無く、水源に乏しいため現在の飲料水は、海水淡水化施設から確保していますが、先人たちは、飲料水の確保に大変苦しんできました。
昔はどの家庭にもコーシチ(白色凝灰角礫岩)をくり抜いたトゥージ(石水槽)があり、これを生活用水とするために昭和初期まで作られてきました。
ここにあるトゥージは、当時を知る高齢者やトゥージを調べた歴史研究者の方とヒアリングを行い、平成20年度に製作・運搬を再現しました。
両端のトゥージは、大人が製作し、中央のトゥージは、当時の粟国中学校2・3年生の生徒が製作しています。
サキダカー(防火水槽)
現役の農業用貯水池
掘り込み型のコンクリート護岸貯水池
島内に4つほどの掘り込み型の貯水池がある。離島ではしばしば見られるタイプの農業用のコンクリート貯水池。
島内で最大の貯水池(四志地区ため池)
空港わきの農地の中に。
役場近くの貯水池
天水を貯める簡易的な池
配水池
高台に新旧の配水池が据えられていた。
鍾乳洞で地底湖を探す
鍾乳洞自体が洞寺(てら)になっている。遊歩道も設けられた立派な鍾乳洞だが、無料で参拝できる。
洞内に水たまりはあったが明瞭な地底湖は確認できなかった。
粟国島へのアクセス
那覇の泊港フェリーターミナル「とまりん」
座間味島、粟国島、久米島、南大東島へのフェリーが発着している。
粟国港
粟国島の島影
マップ
現地案内マップ