水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

大雪山「沼の平」六ノ沼(北海道上川)


8月31日続報

大雪山の最後のミッション池である旭岳「姿見の池」などを終えて、昼過ぎごろにクルマで山を下っているときに、途切れ途切れに電波が入るNHKニュースで、遭難していた男女二人が保護されたとの報が。女性は起点の登山口まで自力下山、男性の方は松仙園の入口近くに捨て置かれていたようだが命に別条はないとのこと。やはり六ノ沼をめざしていて道に迷ったという。
記事のなかで登山者用駐車場に長野県のナンバーが、と書いたが、遭難の当事者は東京と京都の人だった。
それにしても腑に落ちないのは、昨日は4時間ぐらいはずっとヘリが付近を低空を飛んでいたし(正直、私に付きまとっているのかと思ったぐらい)、男性が発見された場所も含めて私も六ノ沼までを歩いていてドローンまで飛ばしたのに、オーイとか叫んでくれれば声の届く範囲にいたはずだと思うのだけど。いや、逆にヘリの音が大きすぎて、助けを求める声が聞こえなかっただけ? そのぐらいヘリの音がずっとしていた。
今回の件での自分への教訓。
いつか行きたいと思っている知床沼には、ぜったいに熟練のガイドを頼もう。

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前日入山したまま行方不明の道外登山者二人は、この沼に?

湖面標高1,432mに立地する天然の山池で、大雪山「沼の平」湖沼群のひとつ。
標高1,030mの愛山渓登山口から片道3.7km、標高差400mほどの登山で会うことができる。
全国のガソリン価格平均が史上最高値を更新したニュースが飛び交った2023年8月30日、北海道のローカルニュースでは男女二人の登山者の行方不明が報じられた。彼らがめざしたというその沼に、この日、それと知らずに私も行っていた。


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報道陣、警察、消防とものものしい雰囲気

午前8時半に入山したが、このとき愛山渓登山口は報道陣、消防レスキュー隊、警察山岳救助隊がひしめき、上空にはレスキューヘリが飛んでいた。
登山者用駐車場には私の他には長野県のナンバーの軽自動車しかとまっていなかった。宿泊者用駐車場は消防車両、報道車両などで埋まっていた。
一方通行となっている一ノ沼、二ノ沼のある松泉園と名付けられた湿地から四ノ沼湿原を抜けると、八島分岐というポイントに。
雨が降ってきたのと、ずっとレスキューヘリが頭上近くを飛んでいて騒音で落ち着かないので、このまま下山しようか迷ったが、せっかくだから400m先の半月沼まで歩いてみて、雨あがり待ちして空撮しようと分岐を帰路とは反対の方に進んだ。
その瞬間、ザックのポケットに入れていたケータイが勝手にピポパと鳴りだし、びっくりして取り出すと電話モードのキーパッドになって勝手にどこかに電話をかけようとしていた。
番号は「777」だった。
このザックのポケットにいつもケータイを入れているが、こんなことは初めて。そもそも私がケータイで電話をかけるのは月に一回あるかないかだし、かかって来たのも工事関係者からの電話だけ。
レスキューヘリのこともあるし、生きている人間には他人のケータイを操作することなんてできないし、ちょっと胸騒ぎがした。


 

半月沼で

半月沼までやって来ると、レスキューヘリは撤収したらしく音がしなくなった。ちょうどよい休憩場所が設けられていたので、池ランチをしながら雨が止むのを待ち、空撮機材を飛ばした。ところが飛ばしてほどなくヘリの爆音が。即時、収容したものの、ヘリは超低空飛行ですぐ目の前に。びっくりした。


けっきょく歩いて六ノ沼へ

空撮ができないので、雨が再び降りだしたが歩いて六ノ沼まで行くことにした。


 

六ノ沼の形態と景観

湖面標高1,452m。水位の変化はほとんどなさそう。
流出口は西側に一ヶ所。木道の橋がかかり水音がするのですぐ分かる。
湿原の池塘と呼ぶには大きいし、六ノ沼はちょっと変わっている。沼といいながら底は岩を敷き詰めたようになっていた。




 

六ノ沼の空撮

ヘリの音は聞こえなくなったので、雨やみのタイミングを見て、ささっと1枚だけ空撮。


 

下山すると・・

午後1時ごろ、愛山渓登山口まで下山するとレスキュー隊の人に状況を聞かれた。
ちょうどこの日、もう1組の登山者も下山したところだった。ただ彼らは沼めぐりとは方角の異なる永山岳をめざしたそうだが雨で撤収してきたとのこと。
町のドライブインまで戻ると、テレビのニュースで道外の登山者二名が「六ノ沼に行く」と宿の人に言ったまま戻ってきていないと報じられていた。
19時のニュースを待って確認したところ、まだ発見されていないとのことで、翌朝からも捜索が行われる。
登山口から六ノ沼までまっすぐ行く分には難所らしい難所もなく、むしろ登山道や道標、案内マップなど、よく整備されており、迷い込むようなところもなさそうに思っただけに不可思議。
気温はTシャツで雨に濡れて少し肌寒いぐらいだったが、夜でもカッパを着込めばしのげない気温ではないと思うし、水はそこらじゅうに豊富だし、何とか無事に見つかってほしい。


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