「自然」というラッピングの下に、巨大な処理場が
荒川自然公園は「自然公園」という名前とは裏腹に、巨大な下水処理施設「三河島水再生センター」を覆う緑のラッピングのような公園である。
園内には白鳥の池を始め二つの公園池があるが、なんとその地下には下水処理用の巨大な沈殿池や反応槽と呼ばれる池たちがひしめき、公園横にも沈殿池が圧巻の姿で並んでいる。池目線で見れば主役はどう見てもこの処理用の池たち。しかも一角にある古い沈殿池は国の重要文化財でもある。
じつはこの地は大正時代に日本で初めて下水処理施設が稼働した「下水処理の聖地」。公募で現在の公園名になる前は「三河島処理場公苑」というストレートな名だった。
公園は「新東京百景」にも選ばれているのも、なんだか象徴的だ。
「下水処理」発祥の地
三河島水再生センター
公園下に第一沈殿池がある。バイオの力で汚物を分解する反応槽とのコンビネーションで汚水を半日ほどかけてピカピカの水にして隅田川に放流している。


旧三河島汚水処分場の沈殿池(重要文化財)
大正時代、日本で初めての下水処理施設として稼働。
建物をはじめ沈殿池など五項目が、国指定重要文化財に指定。見学可能だが予約が必要。
見学者にはマンホールカードが進呈される。




白鳥の池
池名の疑惑
2021年に二羽のコブハクチョウがこの池に飛来したという。以来、居着いてしまったのだろうか。池には白鳥ハウスまであったし、二羽ともすっかり人にすり寄るようになっていた。
この池の下に巨大な下水処理の池があると思えば、自然にやって来たハクチョウというのも何とも象徴的な。
しかしハクチョウが来る前は池の名前は何だったのだろう。まさかハクチョウが来る前からすべて織り込み済み?
ここも「カタドリの池」だった!
全国でさまざまなカタドリの池たちに会ってきた。日本の形をした島のある池や、北海道の形をした池、群馬県の形をした池、ハートの形の池に飛行機の形の池などなど・・この池はまったく予想していなかったけど、ひさびさのカタドリ池ゲット。
何をかたどっているかというと・・「荒川区の形」・・うーん、そのカタチ、誰も知らないと思うけど。


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池の水まわり設備
やはりこの池の水も、地下にある処理施設で浄化循環されているのだろうか。


ボードウォーク、藤棚、池オブジェ


荒川オリジナル八重桜とハナミズキ



もうひとつの公園池
白鳥の池とは別に、園地北側にもうひとつの池がある。案内板や道標には「池」としか記されていないので名前は特にないようだ。亀やメダカのような小魚が生息。
生物の捕獲、放流、エサやりは禁止。人間の飲酒も禁止。残念。





アクセス
駐車場がないので公共交通機関が便利。味わいのある都電荒川線の荒川二丁目駅か荒川七丁目駅で下車。
Googleマップ
マークした場所は「白鳥の池」。