水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

宇宙に一番近いダム(仮称)(鹿児島県種子島)


これぞ、宇宙に一番近いダム?

H3ロケット初号機の発射場から3km離れたところにある宇宙センター野球場は「宇宙に一番近い球場」と銘打たれている。ならば大型ロケット発射場からわずか150mの場所で、海に向けて裾を開いている重力式コンクリートダムこそ宇宙に一番近いダムといえそうだ。
されどH3ロケット初号機の打ち上げが成功しないことには「宇宙に一番近いダム」と呼べないので、成功したこのタイミングで紹介できることを嬉しく思う・・と書いた数時間後、打ち上げ失敗のニュースが・・。「宇宙に一番近いダム」、危うし。


 

ロケット発射、実験には大量の電力と水が必要

航空写真を見ると、ロケット発射場の敷地内にはたくさんの池があることが分かる。
開発に伴う調整池も含まれているかもしれないが、多くは水をなみなみとたたえ、燃焼実験や冷却用などロケット打ち上げ工程に必要な大量の水を確保するための役割がありそうだ。


 

ロケット発射場のすぐ横という立地

発射のライブ映像を見ていると、打ち上げ前から海に向かって大量の水蒸気が噴出されていた。引きの映像で見える二つの紅白の鉄塔の間の向こう側に当該ダムが位置している。
しかしこのダム、まったく素性が分からず、現地に行っても立入禁止で近づけなかったので、堤高などのデータは分からない。堤長は航空写真での計測では50mほど。国土地理院地図では堰体は標高10mと20mの等高線の間にかかっているのでハイダムの可能性も否定できないが、いかんせんもう少し資料と情報が欲しい。


 

もうひとつの大型貯水池は宇宙の水がめ

発射場から北西1.5kmほどの山の谷部には、種子島では西京ダムに次いで大きな規模の大型貯水池がある。航空写真と等高線から堤高10〜20mの重力式コンクリートダムと思われる。
ハイダムの可能性が高い水源貯水池なので、こちらは「宇宙に一番近いダム」の最有力候補といえそう。



 

種子島宇宙センター施設マップ(現地案内板)