地図にもなく、資料からも名が消された謎ダム?
奄美大島の北部飛び地にあたる笠利地区の山をはさんだ西側の貯水池。
2022年11月現在はGoogleマップには池として描かれていないが、砂防ダムタイプのコンクリート堰堤が堰く周囲長800mクラスの立派な貯水池だった。
また、現地には「宇津川ダム完成予想図」という看板があった。近くにある須野ダムと同じく上水道・農業兼用の貯水池と思われるが、なぜか「奄美市水道ビジョン」には「宇津川」という水源名が記されていない。以下がその引用。
西部地区(西部、鍋比、緑ケ丘水源)においてはダム水及び表流水を水源としています。
(「奄美市水道ビジョン」より抜粋)
名前が無視されているのも不思議だが、工期の年月からすれば工事はすでに完成しているはずなのに、なぜに完成予想図が撤去されずにそのままになっているのかも不思議。
あるいは水道水源ではない貯水池なのかと思いきや、横には奄美市が設置した「水道水減地帯」という看板もある。
堰体には取水バルブの操作用の足場も設けられていて、簡易水道水源としては立派な設備。
奄美大島の水道水源貯水池は農業兼用という特性から、維持管理は市の農林担当部局が行っている。水道事業にかかる費用は県と市がちゃんとかかった費用を負担しているとのこと。
スペックも不明ながら地図にも資料にも出ていない謎ダムだけにダムカテゴリに分類した。ただしダム名は「未確定」とした。