水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

スギラビーチ(鹿児島県喜界島)


空港横の別天地タイドプール

もしかしたら日本一居心地のいい空港横の池?

鹿児島市から300km南の海上に浮かぶ喜界島。鹿児島港から出航する貨客船なら11時間、まるまる一晩かかる船旅だ。一方、鹿児島空港からの航空便も一日数便が往復している。
フェリーの発着する港と空港と町酒場が島の西側にぎゅっと集まっていて歩ける範囲。さらにはこのスギラビーチという天然のタイドプール(潮だまり)が滑走路わきにあり、私の知る限り「飛行機を使わない人にとって日本一長居したくなる空港横の池」と言っていいのではないかと思う。
そう私もすでにここでどれだけの時を過ごしただろう。


スギラビーチの景観

季節は11月中旬。晴れ。波浪注意報があり午後から風強し。
三日間にわたり、おもに午前の光で撮影。
撮影機材はiphone13 pro。




タイドプールとは

海岸の岩礁帯などで海水が取り残され池状になったもの。干潮時にだけ現れるものもあるが、スギラビーチは常態となっていた。潮だまりともいう。
タイドプールには人工と天然のものがあり、類似のものとして当ブログでは「河川プール」も広く池の一種として採りあげている。

bunbun.hatenablog.com
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サンゴの化石が潮だまりを形成

外海とは一ヶ所の通水部をのぞき隔てられている。
水の色が外海と異なって見える。この池自体がサンゴの化石のようなもので、足もとをよく見ると確かに化石のようなものが。


岸の形態

海との遮蔽部

海との堰き止め側は帯状の岩礁。大きな通水部が一ヶ所と小さな通水部が一ヶ所。潮位の変化による形態の大きな変化は見られなかった。

沖に見えるのは奄美大島

干潮時に島は陸続きに

干潮時には島が陸続きになり、水の色が全体的にエメラルドっぽくなってきた。水深が浅くなったことによる太陽光の反射の違いによるものと思われる。
エメラルド色のスギラビーチを見たいなら潮汐を意識していくといいかもしれない。

干潮時に陸続きになった島。右は満潮時。

干潮時の水の色

強烈なエメラルドグリーンが出現。

砂浜側に流れ込みの地形

陸側は砂浜と磯が半々

西半分が砂浜、東半分は磯。

ポットホール?

東側の岩礁帯ではポットホールのようなものも。


 

見かけた動植物など

水面を動く・・

早朝、窓の外を見ると、何か水面を動くものが・・。11月中旬

早朝に車内からフロントガラスごしに池の方を見て仰天、あわてて望遠レンズを構えたら・・。一瞬、見てはいけないものを見てしまったのかと思ったが、このあとトイレに行った時、野外シャワーを浴びていたのは、筋骨隆々とした土地のおじいだった。
早朝から、ひとっ泳ぎ? うーん、こんなオジイになりたい。

翌朝、別の・・

若い人だった。こういう感じなら驚かずに済む。ずいぶん島になじんだ軽トラで来ていた。移住者だろうか。

池に参拝?

池に向かって合掌したり、イスラーム式礼拝をしたり・・池を崇拝する宗教かと、そんなわけはなくビーチヨガ。いやー、みんな自由でいいねー。


荒波と、おじい

また別のおじいが。ここは地元の人にも人気の散歩&遊泳スポットのようだ。

清掃活動の人

漂着プラごみがやけに少ないと思ったら、毎朝、複数の人がさりげなくゴミ拾いをしていた。

魚類

浅瀬

カラフルな魚が豊富。サンゴ礁の底質に合わせてか、穴(あるいは目)の擬態模様を持つ魚が目についた。下の左の子は尾の方に、右の子は中央に黒い目のような模様がある。

ちょっと大きめの魚だと思ったらハタ類の幼魚のようだ。この子は動きが素早くてこの写真がやっと

白い底質なので白っぽい魚が多いなか、上から丸見えの堂々たる派手カラーの魚も

浅場でついに大物?

いきなり凪いでいた水面が波だった。大型魚? ナブラ?
正体は分からず。

深場

浅瀬を撮影した前日よりも条件がよかったので、前日は荒波のオジイが立っていたポイントに行き、深場を撮影。

こ、これは!



体の前半分が白、後ろが黒の魚のように見える



そしてこちらは深場にいて分かりにくいけど、ここでは一番大きかった魚。単独行動で白っぽく縦縞も見える

甲殻類

1日目は甲殻類の姿を見なかったが、翌朝、ようやくカニの姿を捉えることができた。どこにいるか分かる?

昆虫・野鳥

蜘蛛は甲冑をまとったような、すごくいかつい。芝生の上のへんな形の砂はアリが造ったもの。


植物

サンゴの岩礁に芝生のような草が生えている。




 

施設・設備

トイレ

24時間利用可能だった。屋内シャワーも併設。

シャワー

あちこちにあって夢のよう。最後に風呂に入ったのはいつだったか思い出せない。

水道

日本一、歯磨きが気持ちいい水道かも。

親水護岸と銅像


駐車場

駐車場区画は一応あるが、地元の人はあちこちに適当に停める感じ。そんなゆるさもいい。

案内板


 

スギラビーチ周辺

フェリー港

フェリー待合室は深夜帯は閉鎖されるが、港の入口に24時間の港湾トイレあり。


滑走路

ほんとに近い。パイロットのかけているサングラスまで見える。


酒場と港町

港町

缶ビール片手に歩きまわってみたところ、商店街らしきものはこのあたりのみか。

大衆酒場

本命と期待した「大衆酒場・朝日」は長年のご愛顧ありがとう閉店。残念!

一軒家の居酒屋

居酒屋は観光客向けではなく、一軒家やアパートの一階というスタイルが多くマニアとしては垂涎もの。

地元のスーパーと地魚

スギラビーチはアクセス路入口にスーパーがある。地魚は喜界島産のほか甑島(薩摩川内)というのもあった。


 

Googleマップ

マークした場所に公衆トイレ(24時間利用可能)。