名峰・焼石岳の山肩にたたずむ空中園庭の池
岩手の名峰・焼石岳(1,547m)の豊穣な山池群の、隠れた名池である。サイズも西横綱の焼石沼よりやや小さいぐらい、東横綱の泉水沼とほぼ同じほどながら、焼石岳登頂の主ルートからはずれているというだけで訪れる人がほとんどいない、忘れられた天空の花園のような池。
この池から流れ出た水はやがて南本内川となり、錦秋湖(湯田ダム)を満たす一滴となっていく。
南本内源流沼の立地と形態
焼石岳・東成瀬登山道の9合目にあたる標高1,460m前後の南本内岳頂上テーブルランドに立地。
成因タイプとしては断層湖であろうか。明瞭な流れ込みは確認できなかったものの、吐き出しは池名自体が示すように南本内川の源流となっているものが東側展望所近くにある。これは航空写真で見るとより明瞭かと思う。
周辺の湿原には池塘も見られ、数まわり小さい池もあるが、微妙な起伏の分水界が形成されており、錦秋湖に流れ込む南本内系の池群と、泉水沼、焼石沼など奥州湖に流れ込む池群とが近接している。
それにしても、なんという楽園感! 時のたつのも忘れて、池に憩ってしまった。
南本内源流沼の生態
高地のわりに植生は豊か。モウセンゴケ群落あり。
魚影は小一時間の滞在の中では確認できず。
水生植物
池畔の動植物
焼石岳9合目の池群
9合目は連峰の様相で、いくつもの小ピークの間に湿原や池が点在し、高原植物の大伽藍を開陳する。
焼石神社下の池
雪渓と混在した三角形の池。
焼石神社横の湿原と池塘
南本内川の源流に位置する大小の湿原と池塘、池が点在する。ミズバショウあり。
南本内源流沼へのアクセス
8〜9合目
最初は湿原の流れの中を歩くが、次第に急登に。しかし眺望がよく花も楽しいので飽きない。
マップ
焼石連峰の山池さんぽマップ
ver1.2(2023年7月)北東中腹の三角沼と八郎沼を追加。
ver1.1(2022年8月)9合目の池群の位置関係を見直して高度感が伝わるようにカイゼン。
ver1.0(2022年8月)二回行ってやっと全貌が見えてきた。
Googleマップ
マークした場所は、焼石長命水(水場)。