大阪の堺という土地は、池目線で見てもちょっと変わった印象がある。
都市だというのに周囲長1kmクラスの溜め池がぽつぽつあり、ただの池ではなく古墳の外濠だったりするものもある。公園化されているも多いが、溜め池の装備も残したまま、さっと体裁だけ公園池っぽく整えたような、都市化への対応というか脱皮が中途半端で、何というか、うーん・・何というか。
この大津池を見て、ちょっと分かった。確かに池岸は遊歩道と車路とで一周できるし、桜並木もある。
柵は有刺鉄線付きやハイタイプの威圧的なものでもなく、鶯色にペイントされ水辺に馴染むような配慮も見られる。
池には島がいくつかあり、ヨシ群落もある。ふつうなら池景を飾るチャームポイントになりそうなのに。
なのに、なんだろう。このソワソワと落ち着かぬ感じは。池公園の多い都市である名古屋や横浜とも異なる。
ひとつは木だろうか。池を取り囲む屋敷林のようなオーバーハングがなく、護岸は直線的、よって周辺の家々や建物の直線たちに囲まれている。
鳥は多いのに、楽園という感じがしない。いや、むしろどこか漂う荒涼感。鳥が多すぎて生態系が破壊されているのだろうか。
なんだろう。不思議だ。
釣り禁止。