里子に出された池は愛情にまみれる
北上市の町ナカ、工業団地と住宅地の境界ライン上にある溜め池である。北上は釣り人には拍手したくなる池が数あるが、ここもそんな池のひとつ。
なんと、池を養子に出して、愛情あふれる里親に面倒みてもらおうというアドプト協定なる意欲的な管理手法が採用されている。
後堤ため池の場合、実の親(所有者)は北上市であるが、通常の溜め池であれば受益者である農家やその団体である土地改良区が管理を担う。両者はいろいろな面で密接に連携し、実父と実母といえよう。
しかし都市化などで農業用途が途絶えると、いわば片親の状態になってしまい、管理の手が届かなくなる。放置されれば決壊などのリスクが年々増す。
そこで池を愛する任意の人たちと協定を結び、里親として清掃や草刈りなど基本的な維持管理を担ってもらおうという、おもしろい作戦だ。
ここで里親となったのは、ヘラブナ釣り愛好家団体。ということで固定釣り台となるパレットが池岸に配備されている。きれいに掃除されていて、痛いほど愛情を感じる。いい里親に出会えたということだろうか。
少し似た事例として滋賀県高島の三谷池を想起した。
コンパクトな調整池タイプのオリフィスを装備
池の構造としては掘り込み+堰き止め。周囲の造成地より水面はかなり低く、調整池タイプの水門一体型のコンパクトなオリフィス塔が実装されている。
アプローチは工場の横を進むが少々、分かりにくい。
投げ釣り禁止。
スクリーン、水門、ダブルの越流堤がセットになったコンパクトなオリフィス部がこの池の心臓部。
取水機能を完全に捨てたわけではなく、同時に都市防災の調節池の機能も併せ持っていることがうかがえます。
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マークした場所は、池への入口。南側にある池は調整池。北が後堤ため池。