【浮島池 / 浮き島さん / 浮島周辺水辺公園】
朝霧に神社と浮島が揺曳する水郷の風物詩
水源が阿蘇からの豊富な湧水ということもあって、清冽で透明感の高い水が印象的な池。農業用水としても長く利用され地域を潤わせてきた歴史や文化的重要性が評価され、全国ため池100選にも選ばれている。
土地の人々の憩いの場でもあり、朝霧に神社を擁した浮島が浮かびあがる光景から「浮き島さん」の愛称で親しまれているという。
平成の名水100選、くまもと名水百選にも選定。
神域の池でありながら釣りも
熊本におけるへらぶな釣り発祥の池(2015年レポート)
2015年の初訪時は「熊本におけるへらぶな釣り発祥の地」とのことでワクワクしながら赴いた。多くの釣り人が岸辺に陣取っていた。ただ、へらぶな釣りの道具にはちょっと見えなかった。魚籠を見せてもらうと小鮒が数尾。
駐車場で立ち話していた若者たちの話題を小耳にはさんだ。なんと、へらぶな釣りの話のようだ。やはり、へらぶなはいるのだろう。しかしこれだけ透明度の高い池でのへらぶな釣りは難易度が高そうである。水面との比高もあり、道具に工夫も必要そうだ。
外来生物の猛威にさらされる(2023年レポート)
2022年12月には町を中心にウォーターレタス5トンを駆除したという。水面をのぞきこむと、驚いたことにティラピアが多い。ほか鯉の魚影もあったが、フナは確認できず。釣り人もあまりいなかった。
野鳥
ため池としての浮島池
池の築造は千年以上前
以下、現地の案内板より。長保3年は西暦1001年で平安時代。
浮島は、周辺に広がる水田地帯の水源として重 安な役割を担うため池で、池の一角にある浮島神社の鎮守の森とため池の水面の広がりが、背景に見える飯田山や阿蘇の外輪山の山々と調和し、独特な地域景観を創出しています。
四季折々の違った姿を見せ、朝靄に神社と森が池に浮かんでいるように見えることから、地元で は「浮島さん」と称され地域住民の憩いの場として親しまれています。 池の水辺には、チガヤ、ヨシなど、池の中にはセキショウなどの水生植物が豊富に育ち、水面にはカイツプリ、カワセミが訪れ、冬にはカモがひと時の安らぎを求めて飛来します。
池の築造については、長保3年当時の領主が、 ある夜、神のお告げで北方の山麓を掘ったところ清泉が2.5haの池が完成したと伝えられています。
地域のボランティアグループによるゴミ拾いと定期的な除草作業が行われており、地域住民の環 境保全に対する意識も高く、農村景観との調和がとれたすばらしいため池です。
池の構造
神社側の洪水吐・流出口・蛇籠
池には複数の流出口があるのに流入河川は見あたらず、池頭、池尻が不明瞭な変則的な構造をしている。
矢形川側の水門
フラップゲート型の水門が設けられている。このあたりはコンクリートと蛇籠の護岸。水路の流出先は矢形川。
公園側護岸
神社側護岸
公園対岸側の岸
ヨシの保全ゾーンが見られる。
秋田配水場
浮島神社
今も金色の兜石がどこかに沈む?
池ができたのは平安時代というから古い。土地の領主が枕元に立った屋敷神のお告げに従って裏庭を掘ったところ湧き水が出て池になった。湧水が一ヶ所に池に集まったことで、湿地状だった土地にめりはりができて収穫量が上がり里人も喜んだという。
池ができた晩、金色の石が池に現れ、ちょっとした観光名所にもなったようである。「兜石」と名づけられた黄金の石を御神体とし、領主自身が宮司となって神社を構えた。以来千年にわたり神職が引き継がれており、金色の石は今も池のどこかに沈んでいるという。
全国にある「浮き島」の名をもつ池
類名の池は多い。
浮き島の名を冠するものだけでも、東横綱といえる山形県の「大沼の浮島」、西横綱は「浮島の森」(和歌山県新宮)などを筆頭に、静岡県にへらぶな釣りのできる「浮島沼」、富山県の白木峰にワタスゲやニッコウキスゲが群生する「浮島の池」、茨城県の「赤坂浮島弁財天の池」などがある。
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駐車場と案内板
駐車場、トイレ、遊歩道、あずまやあり。
Googleマップ
マークした場所が駐車場。