【あかそぶこ。赤祖父溜池】
心の里池
全国の池をめぐっていると、心のふるさとのような池が各地にできてくる。
そんな池は何度でも訪れたくなる。近くを通りかかると、つい寄ってしまう。富山県において赤祖部湖はそんな池のひとつ。
やはり名前がいい。他の土地にはない、この池だけの名前。レッドグランパレイクといえば、外国の人は何を想像するだろう。酒に酔って赤ら顔のおじいさん?
赤祖父湖は愛称で、出自は農業用の溜め池であり「赤祖父ため池」が正式名。
20年以上の歴史をもつ「南砺ふれあいヘラブナ釣り大会」も5月に開催される、へらぶな釣りの名所。湖畔にはおいしいコーヒーの喫茶店、日帰り温泉もあり、なかなか瀟洒でもある。バーベキュー場やパターゴルフ場、もちろん駐車場、トイレも。
土地から愛され続け、ため池百選にも
管理者は受益農家団地である土地改良区であるが、維持管理の費用は地域住民からの「土地改良区賦課金」で全額まかなっているとの一文が案内板の下に記されていた。これだけの規模の池を国や県の補助金なしで全額地元負担で維持管理できているとしたらすごいことだが、農業用溜め池でありながらフレンドリーな池であるのは、地元負担への理解を得る必要性も含まれているのかもしれない。これまで長い年月、特定の人たちによって守られてきた池も、今後は未来を担う地域の宝として、多くの人で支え守っていく思いが広がってくれれば。
全国ため池100選選定。
絵画的景観の水辺
横に長くのびる山なみを遠景に、中景に丸山を配し、湖岸の樹相の変化もあり、ほっこりする里池の景観が広がる。
溜め池としての設備
池から取った水をどう公平に分配するかについても、昔から人は苦労してきた。
堰体下には、水を分けるための円筒分水池と複雑にめぐらされた配水路がある。
釣り場としても、のどかさがたまらない
ヘラブナ釣りが主体だが、バサーも見かける。
マブナがジャミとなってウキの動きが止まることがなく、かえって釣りが難しくなった。マブナの動きが落ち着くとヘラブナのアタリが来たが、なかなか乗らない。ウキを落ち着かせる溜、何度か床休めをした。
2020年の実釣では堰体蛇籠の横の礫岸に固定釣り台を据えて4時間ほど水面を見ていたが、ブルーギルやブラックバスは一度も見なかった。ほか、最後の方に鯉が数尾、回遊してきた。
右岸蛇籠わき
雰囲気としてはここが一番好きだが、傾斜がやや強く崩れやすいので注意が必要。
十八尺で二本半ほどで、まずまずいい案配の深さ。
右岸側の桟橋
堰体の石積み
池の奥 左岸側
木の間に隠れるように、ここにも釣り人が。
インレット側
良い池には良い酒がある
良い池のある土地には良い酒がある。
地元のスーパーやコンビニで地酒コーナーをのぞくのも大きな楽しみ。
駐車場・日帰り温泉
案内坂
アクセス
アクセス路は二車線道路。
マークした場所は駐車場(向かい側に日帰り温泉)