水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

池田の池(石川県津幡)

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津幡の野池のひとつ。
なだらかな丘陵の窪みに設けられた溜め池で、アップダウンの農道から枝道に入り、池に向かってつづら折りを下ってアプローチする。津幡ではよく見られるタイプ。
自転車にまたがったままスマホに食い入る高校生ぐらいの青年がいた。釣り竿が肩上からのぞいている。ネットで事前に調べた野池をまわっているのだという。
スマホから顔を離さない青年を横目に、先に下へと降りていく。池の位置を確認しているようだが、すぐ下から池の匂いが立ちのぼっている。
少年はあわてて追い越してきた。池に着くと自分が釣りをするあいだ岸に近づかないでくれと言う。はっきりモノを言う青年である。堰体の方へ行こうとしたら、動きまわらないでくれと言う。了解。
待っていたら2回投げて巻いただけで「いませんね」とつぶやきながら自転車に乗って行ってしまった。
その後、一人でしばらく水面を見ていたが、しんと静まりかえったままだった。空気に隠し味のように不穏な光が差しはさまれていて、静謐な緊張感があった。
堰体は草がのびていてコンクリート補強や取水設備も見られなかった。
堰体の下にまわってみると、小屋から鉄管が出ていた。小屋内のポンプかバルブで取水操作ができるようになっているようだった。

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堰体と堰体下のポンプ小屋
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マークした場所がアプローチ路入口。