水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

濁池(兵庫県淡路)

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1万3千ある淡路北部(淡路市エリア)の野池群のひとつ。
淡路島最強池密度の淡路市エリアの中でもさらに最強の山田地区にある。池のまわりをヨシが覆い、長野の上田にあるため池群を彷彿させるタイプの池。
山田地区は池の数と密度はすごいが、このような猫の額のような池の割合も多い。
池名標識の看板を支えるアルミ製の角足にステッカーが貼ってあった。
多面的機能支払制度を活用し、ため池保全を進めましょう。
との文言と、設置者名。
兵庫県農地・水・環境保全推進協議会、とある。

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平成27年に法制化された「農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律」にもとづくもの。法律の理念には「農業の有する多面的機能が、国民に多くの恵沢をもたらすものであることを踏まえ、その発揮の促進を図る取組に対し、国、都道府県及び市町村が集 中的かつ効果的に支援を行うことを旨として、その発揮の促進が図られなければならないこと。」
池に絞って大雑把にいえば、これまで池の維持管理にかかる膨大な作業は、その池の水を使う農家が個人としてがんばって担ってきたが、高齢化や後継者不足で苦しい。
このままでは長年、守ってきた池や水路という地域資産も荒廃・消失してしまう。日本の農業インフラが崩れれば、食糧自給もやばくなる。
日本の未来のためにも、これからは小さな池なんかも国民の貴重な財産として見直して、地域ぐるみで共同体制で守っていきましょう。そのためには国民から集めた税金を直接、投入しますよ、といった感じだろうか。
この国策をしっかり活用して池を守っていこうという呼びかけが、この小さな池の小さなステッカーにこめられている。

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