【さなるこ / 猿投の浦(さなげのうら)、左奈池(さなのいけ)、佐鳴ケ浦、入野池】
汚染ワースト湖から愛される水辺へと再生
周囲およそ6kmの天然の海跡湖であるが最大水深は2.5mしかない。流入および流出河川の新川は浜名湖へと注ぎ込む。浜名湖に混じる海水の逆流で佐鳴湖も汽水化が進んでおり、コイ、フナ、テナガエビ、ウナギといった淡水魚の他にハゼ、キビレ、シーバス、ボラ、などの海水魚も生息する。ブラックバスやブルーギルは塩水を嫌ってか定着せず、流入河川側にとどまる。
水質汚染で有名な千葉県の手賀沼、印旛沼と並び、全国ワースト1位を争った時期もあるが、近年は水質が改善され美しい湖畔散策を楽しめるようになった。
湖周は一部、車路共用区間もあるがほぼ遊歩道で一周できる。6km強あるので健脚ランナーも多い。駐車場、トイレも湖周各所に用意されており環境はよい。
全国湖沼汚濁度ワーストからヤマトシジミの復活へ
佐鳴湖の水質浄化施設
長さ90mにおよぶ佐鳴湖のフィルターシステム。
吸水口と排水口があり、二つの濾過システムを備えるが見た目はいたって水辺公園テイスト。景観的にもすぐれている。
植生浄化施設(浮き緑化礁)
現地の立て看板より
佐鳴湖生態系の復元とヤマトシジミの復活
この地は、佐鳴湖岸で唯一「歴史的な湖岸が幽かに残る貴重な一角」です。佐鳴湖は平成期の全国湖沼汚濁度ワーストワン事態を受けて、水中土砂の姿(しゅんせつ)が進み、ほとんど全域にわたって、改造されました。そのスローガンは立派で「生物の生存・生息・繁殖環境に良好な生態づくり」「手足をつけて遊びやすい環境づくり」と謳われています。
なれど、現実にはどの湖域も十分な配慮がなされたとは言い難いまま放置されています。水質はまちがいなく改善傾向にありますが、底質は貧酸素・無酸素なまま放置されたドロが堆積し、底生生物の生息を断絶しています。ただし、近年のこの地の実証実験では「ヤマトシジミの継代育成」の可能性調査が進み、希望が見えてきました。蜆塚遺跡を見てください。ヤマトシジミは浜松の歴史と環境回復の象徴です。健全な汽水湖はどの様にあるべきなのか
健
全な歴史をどのように次の世代に伝える松市民の見識が問われています。皆様のご支援ご尽力をお寄せください。頼りにしています。
令和5年5月21日 うぐいすの里佐鳴湖創生会
佐鳴湖シジミハウス
佐鳴湖の景観と湖岸要素
静岡県で一番低い山
根川山(標高32メートル)の登山口が湖周路にある。
さなる遊覧(船)のりば
佐鳴八景
北岸
新・浜松の自然100選「富塚の新川の自然」
佐鳴湖でも、もっとも印象に残る野生味あふれる水辺だった。
小藪の湧水
佐鳴湖に流れ込む水源のひとつ。
佐鳴湖北岸園路
南岸
入野富士見水門
銅製シェル型ローラゲート。
佐鳴湖漕艇場
佐鳴湖の流出口の新川がある。
佐鳴湖に生息する魚と動植物
案内板