水辺遍路

訪れた池やダム 1万スポット

稚児池(新潟県新潟)

モンスターライギョの聖地。フロッグとパックロッドというオールドスタイルのタックルに願掛けをする

 

ライギョ日本記録121cmを叩き出した現代の池伝説

新潟の田園地帯の中にたたずむ稚児池は、1979年9月9日にライギョダービー日本記録121cmのモンスターを当時14歳の少年が釣った伝説の池として、当時を知る元・釣り少年たちのハートに強烈に刻まれている。

13.5kgもの巨大魚に喰らわせたルアーはフロッグというカエルに似せた形状のゴム製のもの。ハスやスイレンなどの浮き草の間を縫うように操ることで、カエルを狙うライギョに効果的なルアーだった。
かの少年が使っていたのはガルシアフロッグという、フロッグタイプのルアーとしては、中学生垂涎のハリソン・スーパーフロッグよりもさらに高級なイメージ。私とはいえば、そんなものは買えず「かへるくん」というガルシアフロッグのバッチもんを使っていた記憶がある。
ああ、メーカーは確かコーモランだ。

現代のフロッグは大きく進化。ウィードレス性能は飛躍的に高まり、ロッドアクションによって水面に波紋とスプラッシュ音を立てるだけでなく、ドッグウォークでじりじりとストレスリアクションを引き出すことも可能。スイカ柄という茶目っけも80年代の昭和テイストを再現してくれていてうれしい。写真の池は同じ新潟県の清潟。(2022年)



稚児池は埋め立てられロストレイクに。

そんな稚児池も開発の波によって埋め立てられてしまったという。
2015年に稚児池の痕跡がないか現地を探してみたが、田園地帯の中にコンクリート升があっただけ。
その記事をアップしたところ、ありがたいことに稚児池跡の正確な位置についての情報をコメント欄に寄せてもらい、2022年に訪れることができた。


2015年の初調査時


 

稚児池はかなり深い砂丘湖だった。

池を埋め立てた跡地は、農村基盤整備事業の一環として整備された少年野球のグラウンドとなっていた。
そしてグラウンドの一角に、「稚児池乃跡」と大書きされた立派な石碑が立っていた。その裏側には稚児池への熱い思いが伝わってくる魅力的な碑文が刻まれており、それによれば往年の稚児池は松林に囲まれた周囲長640mの天然の砂丘湖で、スリバチ状の底形状のため、かなり水深があったという。
池のほとりにあった寺の小僧さんが溺れ死んだことが池名の由来とか。池ヌシは、大亀とも白蛇とも言われていたというが、このあたりの記述はやや適当な感じ。さすれば121cmのライギョは池ヌシの最後の後継者か。ヌシが捕らえられて池は息を止めてしまったのか、などと妄想もしたくなる。



 

類似の池は?

砂丘湖でスリバチ状の深い底を持つ池といえば、秋田市の空素沼がある。
ただこの池は、どうも稚児池に対して長年抱いていたイメージと異なる。どちらかというと宮崎県西都市にある、その名も稚児ヶ池の方がしっくりくる。もっとも見たこともない池なので、私の願望も入っている。
しかし121cmという突出した巨大魚を生み出した要因がどこにあったのか、グラウンドと広々とした農地に整地されてしまった現在の姿からは想像するのも難しい。実際に稚児池と戯れたことのある人は、もう50代以上になろうか。昔の話を聞きたいものである。


bunbun.hatenablog.com
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西山公園の一角に「稚児池乃跡」の碑が立っている。