水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

空素沼(秋田県秋田)

からすぬま。

県庁所在地の街中にあるエアポケットのような不思議空間。

秋田城趾の城山は住宅がびっしりと建ち並び、城趾と住宅に囲まれた雑木林のくぼ地にぽっかりと嵌め込まれたような水面がのぞいていました。秋田市街地の老舗的なバスポンドのようですが、沼だけを見ると、とても市街地内とは思えない雰囲気と深さと独特の空気があります。
池畔には空素沼神社と蛇や雨乞いにまつわる伝承もあり、昔から一夜にしてできたとか底なしなどと言われ、『南総里見八犬伝』で知られる江戸時代の人気作家・滝沢馬琴のエッセーにもその名が出てくるというので、昔から人を惹きつけるものがあったようです。今もミステリースポットとして地元では知られています。
沼周囲の道が狭く初めてクルマで行ったときはたどり着けず、後年、あらためて自転車で赴きました。
とはいっても上からのぞいただけ。水面に降りるのも釣りをするのも大変そうですが、地元の釣り人は神社の方から入っていくようです。

ジオラマ中央上寄りにある小さな池が古代沼。その上に見える大きな池は空素沼