水辺遍路

訪れた全国1万1,700の池やダムを独自の視点で紹介

はたご池(静岡県富士)


機織り娘の池伝説と富士山ビューの山池

富士山の眺望スポットであり夜景スポットでもある、みごとな山池。
峠越えの道のかたわら、標高367mの稜線上に位置する。こういう山池に会うたびに地形の妙に打たれる。
なぜ尾根という水をふるい落とす立地に、奇跡のような池が生まれるのだろう。もちろん、こういう不思議な池には、それにふさわしい伝説もある。この池では機織り娘にまつわる二通りの池伝説がある。
吐き出し側に荒澤不動尊奥之院が鎮座。
流入水路は見あたらず、湧水による天然湖沼らしい。池名を冠した、はたご池公園として整備され、駐車場、トイレ、遊歩道が完備。
鯉と亀の魚影が濃い。釣り禁止。

はたご池の形態と景観

片流れ地形

下の写真でいうと右から左へと下る山斜面になっている。等高線に沿うように細長い池の形状からも、地すべりによって生まれた天然湖ではないか。水源は湖底からの湧水。
周囲長200m、水深1.5m。



参考サイト:土と水 第42号

吐き出し

小さな橋がかかっているが、常時、水が流れ出ているわけではないようだった。
かたわらの山腹に不動尊が祀られている。(2021年)


池岸

土と草の自然護岸で少しずつ崩れている様子。
ヌートリアとか害獣が入ったら一発で壊されそう。自然に近い姿とはいえ、環境に配慮した土留め(どどめ)が必要そう。
AIに訊いてみたら、以下の回答。

  • 石積み・空石張り:自然石を積み上げる工法。石の隙間が魚や昆虫の隠れ家になり、植物も根付きやすいのが特徴です。
  • ふとん籠・カゴマット:鉄線の籠に石を詰めたもの。屈とう性(柔軟性)があり、地盤の変動に追従します。表面を土で覆う(覆土)ことで、早期の緑化が可能です。
  • 柳枝工(りゅうしこう):木棚で斜面を保護し、柳などの植物を植える伝統工法。植物の根が網目状に張り巡らされることで、護岸の強度が高まります。

池岸の遊歩道

2021年夏の、はたご池




 

機織りにからむ池伝説

姑にイビられ嫁が池に身投げタイプの機織り伝説

池伝説としては定番といえ、類話は全国に見られる。それにしても、なぜ全国共通で姑は強欲なのか。そしてなぜ身投げする娘は総じて働き者で気立てがやさしいのか。身投げしなかった娘は歳をとるともれなく強欲な姑になるという戒めか。下の動画は「まんが日本昔ばなし」に採話された新潟県の牛池を扱ったものだが、ストーリーはここ、はたご池とほぼ同じ。

www.dailymotion.com

機織り池伝説の全国事例

機織りにからむ池伝説としては、ズバリその名も機織沼(宮城県登米)を筆頭に、化女沼(宮城)、半田沼(福島)などを把握しているが、いずれも地域がわりと限定されており、東海地方の事例としては初めてで興味深い。


「名勝 はたご池」の碑

bunbun.hatenablog.com


 

亀と鯉の魚影






 

池前広場と富士山ビュー

すみません。富士山は雲に隠れてます。



 

案内板と駐車場





 

マップ

現地案内マップ

ニッポン湖沼図鑑マップ

Googleマップ

マークした場所がアプローチ路入口。入るとすぐに駐車場あり。