水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

鏡池(長野県戸隠)

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あまりの天然浴感に、手前の人工物がアート作品にさえ見えてしまいそうだが、これは取水設備。そう、ちゃんとお仕事を持った池なのである。

戸隠奥社と並ぶ奥座敷感の池。

戸隠山の中腹、森閑とした戸隠神社の奥社と並ぶ立地にある鏡池は、容姿端麗な戸隠の池群のなかにあっても、誰もがうらやむ奥座敷のプリンセスのごとき趣きがある。
とはいっても舗装林道とはいえ池にはクルマで行くこともできるし、70台以上の舗装駐車場も備え、瀟洒なレストランまで立っており、今や立派な戸隠高原の人気ビュースポットとしての地位を確立している。
「鏡池」の名のとおり、水面に映った戸隠連峰の姿が美しく、紅葉の時期などは堰体にカメラマンが列をなす。天然湖と見まごう空気感をもつが、そもそもこの池は農業用の温水ため池という地味なお仕事をしている人工池なのである。
2020年にNHK「日本の里山」で鏡池が潤す棚田とともに、その四季がとりあげられた。
釣り、ボート、遊泳禁止。


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鎧のような戸隠連峰に囲まれ、一見すると天然湖のような神秘的景観


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エレベーター型の選択取水設備。陽光で温められた表層近くの水を取水する。


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エレベーター取水口は古い階段状の斜樋跡(?)の延長線上にあることが分かる。


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明瞭な堰体構造。奥には洪水吐も。


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よく見ると堰体の前法面(池側)には、石組みの補強護岸が。これがコンクリートになった瞬間、景観が壊れそうな微妙なバランス
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駐車場と案内板
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2013年、戸隠奥社から遊歩道で鏡池へ。誰もいなくて熊が怖かったので、あろうことか当時、小学生の娘を先に歩かせた。いまだに反省している。
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マークした場所に駐車場。