水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

大谷堤(群馬県安中)

自分の池における経験則を裏切る一枚。バス(中央の1尾)とギルとオタマジャクシがいっしょに泳いでいる。観察している間、オタマジャクシが食べられることは一度もなかった。捕食者も関心を示す様子はなく、オタマジャクシの方も逃げようとする行動は見られなかった。この池に生息するオタマジャクシは毒を持っている可能性も?(2024年5月)

オタマジャクシとギルとバスがいっしょに泳ぐ奇妙な光景

へらぶな釣りで有名な山形県の大谷堤(馬上ダム)と混同しそうな名称だが、群馬県のこの池は大谷堤(おおやのつつみ)。
北と南を二筋の河川にはさまれたゴルフ場銀座の丘陵地帯の中にある。
2012年の初訪時は冬で、この地域特有の強いからっ風が吹くが、林の風裏に数基、へらぶな釣り用の固定釣り台が設置され、釣り人が糸を垂れていた。
初訪から12年後の2024年5月に再訪。オタマジャクシの大群の中を泳ぐブルーギルとブラックバスの魚影を確認。
オタマジャクシが大量発生する池は捕食者となるブルーギルやブラックバスはいないはずという知見を経験から導いていたが、それがこの池で覆された。正直、衝撃だった。
ギルたちが興味を持って集まっていたのは、自分の体より大きな親ガエル。



 

2012年晩秋の大谷堤



 

ブラックバス、ブルーギル、ウシガエル

2024年5月撮影。



 

自分より大きなウシガエルを取り囲むブルーギル

これほど好奇心旺盛なブルーギルたちなのに、オタマジャクシの方には見向きもしない。


 

オタマジャクシの群れ

ウシガエルのオタマジャクシにしては小さすぎる気がしたものの、調べてみるとウシガエルのオタマは生体になるまで2年を要し、小さいときは他種との見分けも難しいようだ。
毒を持つタイプのオタマジャクシもいるとの報告や、小さいオタマジャクシは捕食者が嫌がると雑誌で見たとのブログ記述もあった。


 

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