水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

立岩湖(長野県南相木)

たていわこ。
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「シナノユキマス」釣りがひそかに熱い仙境的な水辺。

日本一高所にあるダムである南相木ダムのおよそ10km下流にある人工湖沼。堰体は古く昭和37年に造られたということだが、貯水目的というよりは砂防堰堤のようにも見える。フィッシングレジャー性の高い水辺なので「湖」という名が与えられてはいるが、周囲1km級とこじんまりとしている。ただ、幹線道路からも遠く離れた標高1,070mという立地とあいまって、このこじんまり感が仙境のような雰囲気を生みだしている。
湖名の由来は堰体下にある高さ60mの「立岩」。岩に刻まれた三条の筋は、鬼が岩を三度に分けて運び重ねたなごりとか。下には「立岩の滝」がある。

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サビキ、ルアー、穴釣り、そしてへら竿と、多彩なスタイルで。

シナノユキマスは、その名から国内での交配種のような印象を受けるが、じつはロシア原産の外来魚である。日本では長野県のわずかな湖沼にしか放流されていない。シナノユキマス釣りをトレードマークにしているのは、私の知る限り立岩湖と柳久保池だけである。
冬期は結氷するため、ワカサギと合わせて穴釣りでもシナノユキマスを狙える。結氷期以外のシーズンの立岩湖のシナノユキマス釣りは独特で、春から夏はサビキ仕掛けを遠投するリール釣りスタイル、夏から秋はへらぶな釣りスタイル、40cm以上の大物はルアーフィッシングスタイルで狙うという。
下の写真、へらぶな釣りにしては、どうも様子が変だと思いましたが、そういうことだったんですね。
日釣券は1,700円とやや高いものの、イワナ、ヤマメ、ウグイも狙える。

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釣りキチ三平の看板が泣かせます。
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看板の裏側。これ、へら釣りじゃないの、と思ったけど、シナノユキマス釣りであっているようです。
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2011年に立岩湖で釣ったへらぶな。管理人さんによると、この時点で放流には力を入れていないということだったので、今はもっとも希少な魚かもしれない。このときはマブナ、ウグイも釣れたが、シナノユキマスはゼロ。



2016年撮影。
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夏の立岩湖(2011年撮影)



案内板。
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マークした場所は釣り券を購入できる立岩荘。