水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

十日町の大池(新潟県十日町)


桃源郷感漂う映画セットのような野池

美しい池だった。森に囲まれた草原、池畔の神社の赤い屋根。廃校になった小学校を利用した野外美術館。そしてのんびりと水面に竿をのばす釣り人。
初めて会う池で、こんな映画のセットのような池がまだ日本に残っていたのかと正直、驚いた。しかも千年以上にわたって雨乞い信仰と関わってきた歴史を持ち、かつては周囲長4kmほどもあった大きな湖だったという。
池畔に立つのは、大伊氣神社。「大池神社」の字を変えた理由は何だろう。


池の形態と景観

山の中腹の踊り場のような立地

湖面標高380m、周囲長600m。準山上湖的な立地で、地形的にも下界との隔絶感があり、桃源郷の雰囲気を高めている。

取水口と水道

明瞭な堤構造は確認できないが、取水設備らしきものがあった。

大池弁財天

かつてはこの社があるあたりが池の中心だったそうだ。



 

生息魚類と釣り

岸は釣りがしやすい草岸で、釣り台が置ける簡易的な足場が設けられている。日没後から明け方までの釣りはご遠慮くださいとのこと。
対象魚となるヘラブナは放流も継続的に行われており、ほか、ソウギョやブラックバスも生息。外来魚の影響か、この池の名物だったモエビは絶滅してしまったそうだ。



 

大池の由来と雨乞い信仰


 

ミティラー美術館

廃校を利用した野外美術館がある。十日町は全国的な野外美術館のメッカでもある。
廃校の門柱には「大池小学校」というプレートが。



 

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