八島湿原、八島ヶ原湿原。
『君の名は』の御神体クレーターと似た景観で話題に。
アニメ映画『君の名は。』において宮水神社の御神体として描かれていたクレーター内の湿原と景観が似ていると話題になった八島湿原(八島ヶ原湿原)は、諏訪湖に裾を落とす霧ヶ峰連山の奥座敷に広がる雲上の高層湿原。
1万年かけて育った泥炭層には貴重な植物群落が根を広げ、国の天然記念物にも指定されている。
八島湿原には名が付けられている三つの池があり、八島ヶ池はビジターセンターからいちばん近い。
『日本百名山』の「霧ヶ峰」の項のなかに「八島池」という名で採り上げられてもいる。
一方、『君の名は。』に出てくる御神体湿原は主舞台である糸守湖の北西の山上にあると考えられ、八島湿原も諏訪湖の北西10kmの山上に位置する。
諏訪湖自体が、作品内の糸守湖のモデルとされるだけに、立地の相関性においてもモデル説は一定の説得力がある。
日本には存在しない隕石湖。
リム状の丘陵にぐるりと囲まれた八島湿原は、木道に立つと異世界に飛び込んだような不思議な感覚を誘うが、この外輪山は映画とは違って隕石由来のものではない。
そもそも隕石の衝突痕に水がたまったクレーター湖(隕石湖)はインドやカナダなどわずかに存在するが、残念ながら日本では見つかっていない。
国内で確認されている唯一のクレーターとしては、長野県飯田の御池があるが、クレーターは池への遊歩道の駐車場になっているだけで、池自体は隕石とは関係ない。
『君の名は。』のストーリー上では、糸守湖自体も1200年前の隕石落下で生まれた日本唯一の隕石湖として語られているが、惜しむらくは設定を1200年前ではなく、1万2千年、いや12万年前としてくれれば、湖沼マニアから見てもリアリティがあった。120万年前でもいいぐらい。
隕石落下によってできるリム(外輪山)が風雨で慣らされて、諏訪湖のような構造湖的な地形になるまでの時間感覚は、少なくとも千年単位ではなかろう。ちなみに諏訪湖の誕生は数百万年前とされる。
bunbun.hatenablog.com
bunbun.hatenablog.com
- 価格: 3080 円
- 楽天で詳細を見る
マークした場所は駐車場。