日本では、いまだ未発見の隕石湖
新海誠監督の映画『君の名は。』で舞台となったのは、架空の隕石湖を中心とした町だったが、じつは日本ではいまだ隕石湖として学術的に国際認定された湖沼は見つかっていない。
しかし見つかっていないことと存在していないこととは別だ。すでに見慣れた池だったとしても、その出自がじつは隕石由来だったなんてことがあるかもしれない。
いつか隕石湖を見つけてやりたいというロマンを持って全国をめぐり、いくつかの候補もつかんではいるものの、いずれも決定打がない。
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櫛池という池は存在するのか?
昔は櫛池村、現在は上越市清里区
現存する隕石で国内最大のものが、はからずも「櫛池の隕石」という名。櫛池は当時の村名でもあるが、隕石落下と何らかの関係のある池だったのか、地図では埒が開かず現地に赴いてみたところ、池の気配はなく田畑と集落のある河岸段丘。この川の名が櫛池川。
隕石落下の場所は公園になっていたが、直近に池は見あたらない。
集落には農業用の小さな溜め池が二つあった。また櫛池川を下ったところに「池」という地区もあったので、合わせて写真を掲載しておく。
櫛池隕石公園の立地としては、ため池百選にも選ばれている坊ヶ池という素晴らしい池の恵みを受けている地域である。
集落の池
展望駐車場から。ソーラー池ごはんも敢行。
池の奥にある丘の向こう側斜面に隕石落下地点がある。
池地区
上越市オフィシャルサイトより抜粋
櫛池の隕石は、大正9(1920)年9月16日夕方、当時の櫛池村上中條の水田に落下しました。
「ゴォッー」という飛行機が近づいてくるような大音響とともに飛来し、落下した際には爆音とともに水煙が10メートルも舞い上がったといわれています。
隕石は長さ18センチ、高さ9.8センチ、重量4.42キログラムで、鉄分が多く含まれているため磁石がつきます。分析の結果、ケイ素やマグネシウムなどが含まれていることもわかっています。
落下後しばらくの間は櫛池小学校に保管されていましたが、現在は上越清里星のふるさと館で保管、展示されています。また、昭和49年3月30日に新潟県の文化財(天然記念物)に指定されています。