水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

養福寺貯水池(福岡県北九州)

ようふくじちょすいち。
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八幡製鐵所に工業用水を供給してきた貯水池。八幡製鐵所といえば、日本の近代化を工業面で牽引した明治時代の官営製鉄所。現在は新日鉄住金に管理が引き継がれている。
桜の名所として花見シーズンには、ふだんは完全立入禁止の敷地が開放され、地元の子どもたちの遠足など地域住民に親しまれていたが、2019年春に訪れたときは、ちょっとタイミングが早すぎたのだろうか・・厳重なフェンスに阻まれ近づくことができず無念至極。
ヨーロッパの古城のような取水塔や石造り堰堤、「逆ダム穴」とでもいうべきアサガオ形の送水口など、ダムファン、あるいは廃墟マニアならずともカメラを向けたくなる土木遺産的構造物が豊富なスポットである。
近くの河内貯水池は同じ技術者により同時進行で造られただけに、構成要素もよく似ている。河内貯水池の方は通年、開放されている。

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bunbun.hatenablog.com

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立ち入り、釣り、ボート遊びなどを禁じる看板はわりと新しいものに見えましたが、記された署名は警察と連名で、新日鉄住金ではなく「八幡製鐵所」となっていました。
釣り禁止看板としては異色ともいえるシックな茶色の看板で、署名の製鉄所の漢字も「鉄」ではなく「鐵」と記されているところなど、ちょっと粋な感じ。


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