糸島の野池群のひとつ。農地が広がる平野の中に位置し、コの字形の堤をもつので一見、皿池タイプの溜め池かと思ったが、池を囲いこむ小丘陵は意外に奥行きがあり、皿池的なところと谷池的な表情の両方をもっている。
堰体から見ると池の奥側は、もくもくと木々が湖上にせり出して、いかにも野池! という感じで雰囲気がいい。水の色といい、房総の野池を見ているような気にもなる。
堰体まわりはフェンスで囲まれている。
手すりがあるということは、しばしば階段を降りていく必要があるということの裏返し。
そう。ここでは斜樋でよく見られるスピンドルのゲート操作ハンドルがありません。よく見ると、水面下に鉄製の「フタ」のようなものが見えます。
フタには蝶番(ちょうつがい)が付いており、これぞ池の栓なのでしょう。栓を引っぱるときは水圧がかかって力がいるのかも。そんなときのために手すりが付いているのではないかと妄想しました。