水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

牛ヶ迫池(山口県長門)

うしがさこいけ。
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堤高25mもの、そうそうたるアースダムが堰く農業用ため池。
ロックフィルダムや重力式コンクリートダムでは25mほどの高さは低いと感じてしまうところがあるが、土盛りのダムで25mクラスとなると、まったく異なる印象になる。
この堰体、第一次世界大戦が始まった年(1914年)に築造され、すでに百歳を越える。
それもそのはずで、数百年も昔であれば30mクラスの堰体はギネスブック級の大きさだったのだ。
特に下から眺めると、この土壁の向こうに見上げんばかりの水が満たされているのかと思うと、畏怖を越えて恐怖すら覚える。
何たる緊張感。
これぞアースダムの醍醐味。


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下から見上げると堂々たる堰体である


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堰体上から日本海が見えた
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ダムサイトへのアプローチ路入口


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これだけ大きなアースダムなので、改修によるコンクリート製洪水吐は現代の安全基準からすれば必須の装備といえますが、ある程度の大きさの溜め池にあるべき斜樋が見あたりません。
堰体下に農家の人が頻繁に踏み入った跡があったので、たどってみると底樋の出口らしきものがありました。
底樋だけでの利水運用というケースもあるのかなと気になるところです。


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堰体センターの下部にコンクリート製の構造物。底樋の出口か。


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斜樋は見あたらない。


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さすがに洪水吐はしっかりしている

マークした場所がアプローチ路入口。