水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

壺の池(三重県御浜)

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池の南岸から太平洋に面したビーチまでわずか150m。池と海にはさまれた狭い場所に国道と紀勢本線が窮屈そうに通り抜ける。
駅近の池ではあるが、周囲はほぼ、みかん畑にとり囲まれていて、池岸をぐるりと歩いてまわることができない。明確な堤はみとめられず、天然の海跡湖であろうか。池畔のどこかに池大明神が祀られているということだが、どこにあるのか分からなかった。
この池の不思議な伝説について知ったのは、およそ20km離れた奈良の山中にある摩訶不思議な明神池について調べているときだった。

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明神池に棲む大蛇を神様が踏みつけた際に、千切れた蛇の体がここ壺の池に落ちて大ウナギに転じたというのが伝説の骨子だが、神様のかわりに役行者が登場するバリエーションもある。
役行者の錫杖ですっ飛ばされた蛇の胴体は明神池に、頭は「有馬の池(ありまのいけ)」(現在の山崎運動公園)に落ちた。この話では、蛇の尾は壺の池ではなく奈良市の猿沢池に落ちたことになっている。猿沢池といえば、明神池と同じく七不思議をもつミステリー水辺の元祖みたいな大御所である。
壺の池という不思議な名といい、すぐ隣にある蓑の池という兄弟池の存在といい、なんともいえず気になる池である。

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