水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

通り池(沖縄県下地島)

【とおりいけ。下地島通り池。一の池、二の池】
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ダイバーには世界一有名な「池」かも。

宮古列島観光のメジャースポットである通り池は、なんと世界のダイバーが憧れるダイビングスポットでもある。
バスツアーの観光地としても揺るがぬ存在感がある。日本有数の観光地である宮古列島にあって、池が主役のように扱われているのがうれしい。大型駐車場やボードウォークも整備。
周辺の断崖絶壁の海岸には無数に開いた陥没ドリーネ池が点在するが、双子のように並んだ円形のみごとさで、奇景ともいえる見ごたえを獲得している。
二つの池が底でつながっているのは、鍾乳洞の天井が崩落したドリーネ池の由来を考えれば驚くことではない。それは池の底で海とつながっている点も同じ。
また、真水と海水が混じり合わずに層をなしていたり、潮汐によって水位が変化するといった特徴も、南大東島で見たドリーネ池や地底湖に共通する特徴である。
ただ、通り池の場合は海との連絡水路となっている地下洞窟が大きく、海側から通り池に抜ける魅力的なダイビングコースが実現した点で幸運だったのかもしれない。

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国の天然記念物にも指定

宮古島から伊良部島を経てすべて橋でつながる予定の下地島にある。
一の池と二の池の二つで構成。空港のわきに立地。「下地島の通り池」として国の天然記念物および名勝に指定。

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成因

成因は鍾乳洞の陥没によるドリーネで、すり鉢状の二つの池は水深15mのあたりで洞窟で海とつながっている。
一の池は周囲長200mクラスの小さな池にもかかわらず、水深は45mもある。二の池は水深25m。それでも深い。

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断崖はかなりハードで陸側から水面に降りることはできない
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人魚伝説と池名の由来

通り池の名の由来はおもに二種類。
かたや二つの池が海と通じているので「通り池」というシンプル説。もっともダイビング装備がなかった時代には「通る」ことは難しかったと思うが、それでも昔の人はすでに海と通じていることを知っていたようだ。
継子伝説のほか、ユナイタマの人魚伝説は大津波の史実とリンク。
津波の通り道になったというのが、由来の二つ目である。

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二の池
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遊歩道と駐車場

大型バスも駐車できる駐車場とトイレ、売店がある。
遊歩道は途中からボードウォークになっているので岩場も安全に散策できる。
駐車場から通り池までおよそ200m。ほぼフラット。

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写真

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宮古列島の池さんぽマップ

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宮古列島 池さんぽマップ ver.1.2

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