水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

鍋底池(沖縄県下地島)

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外海とつながっているため、海が荒れると池の底は煮立ったように湧き立つという

島の聖地。胎内回帰と生まれ変わりの池。

宮古列島観光のメジャースポットである通り池の少し奥に、あまり知られていない池がある。
胎内回帰、生まれ変わりの池として島の聖なる秘所とされてきた。
通り池と同じく陥没ドリーネ池で底で外洋とつながっている。
海が荒れているときは「鍋底池」の名のごとく、池底の水がまるで煮立っているかのように湧き立つと聞いて、海が荒れ気味の日の早朝にアタックをかけたが、デッキタイプの遊歩道は鍋底池に達することなく、50mほど先にあるそれらしき穴を眺めることができただけ。

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遊歩道の末端。先に穴が見える。その先に見える湯気のような白い飛沫は、残念ながら池ではなく外洋側

穴の底深くにあやしく揺らぐ水面を見るためには、穴のぎりぎりまで近づかなければならない。
昔は池のそばまでボードウォークがつづいていたようだが、2014年ごろの台風で破損したのを機に撤去されてしまったらしい。案内板や道標にも鍋底池については何も記されていない。
じつは通り池や鍋底池のようなドリーネ陥没池や、池になりそこなったクレーター状の穴は周辺にけっこうな数がある。
道が通じていない危険な場所も多く、まずは空撮を行なって実態調査をしたいところだったが、下地島空港の真横で飛行制限エリアとなっていて叶わなかった。

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対岸の岬。断崖に回廊のように無数の穴が開いており、いくつかは池に通じていると思われる。段丘の上にどんと座った巨岩は「帯石」。津波で運ばれたとされている。


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これが鍋底池か。海が荒れているときは、飛沫が穴から湯気のように立ちのぼるという。


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ボードウォークの台座跡が、崖の手前の穴に向かって点々と続いている。確かに昔は遊歩道で鍋底池まで行けたようだ。わずか50mほどだけに残念。


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宮古列島 池さんぽマップ ver.1.2


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現在地マークは遊歩道の終点


マークした位置は、鍋底池のピンポイント推定位置。