【すごうのいけ。数河溜池、数河の堰】
シシ神の森感に浸るコアスポット、鳥海山南麓。
鳥海山の南麓斜面に点在する湖沼のひとつ。
湖面標高は300mと、鳥海山の裾に位置する。地形は左岸側がなかなか豪快な段丘になっており、水深は10mもある。
地形的に不思議なのだが、なぜか木を数本のせるほどの小島がぽつぽつと浮かべ、映画『もののけ姫』の「シシ神の森」の深奥にある神秘の池を彷彿させる。近隣の池はいずれも、多かれ少なかれ「シシ神」感があるが、「シシ神の森」のモデルとなったのは南九州の屋久島とのことで気候・植生はまったく異なる。
ではどこがシシ神感を誘うのかというと、この池の景観上のワンポイントともいえる小島の存在と背後に直立する杉林のたたずまいだろう。ため池に浮き島のようなものができるのもおもしろいが、これは泥沢沼で見たような底質に由来するものかと思う。底に積もった葉が腐りにくい水質なのか。鳥海山の雪解け水は霊力も高そうだ。そんな神秘感も手伝ってのことかもしれない。
数河ノ池から鳥海高原ラインでまっすぐ山頂の方へと向かう途中にある鶴間池は、さらにシシ神感がパワーアップした池としてSNSなどでもちょっと話題になっている。
開放的でありつつ穴場感たっぷりの水辺。
シシ神感がすごいことや、そのダイナミックな地形と立地から天然湖を思わせるものがあるが、「数河溜池」、「数河の堰」といった別の呼び名からも察せられるように、大正時代に造られた溜め池である。
堰体直下には舗装駐車場とトイレがあり、池を一周する遊歩道がめぐらされ、左岸側の立派な展望台のほか、インレット側にも桟橋や草護岸の小広場もあり、釣りもできそうだ。
ブラックバス放流禁止の看板があったが、やや水がマディーなせいもあって直接、魚影を確認したことはない。いつか魚種調査と言いつつ、のんびり竿を出せる日を楽しみにしている池でもある。
マークした場所は堰体下駐車場。