水辺遍路

訪れた全国1万1,450の池やダムを独自の視点で紹介

鷲林寺の弁天池(兵庫県西宮)

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きれいな切石で石組み護岸された弁天島をもつ。コンクリート製の橋は鉄パイプの手すり付き。けっこう新しく改修されたものと思われる。

牛女の池。しかし池界のスーパースター空海ここにも!!

六甲の山のなかにある鷲林寺(しゅうりんじ)の境内にある、その名も弁天池。この名をもつ池には、必ず何かある。
と思った途端、現地の案内板を読めば、いきなり池界のスーパースター弘法大師(空海)の名が!!
地図で見ると西宮の都市部からほど近く見えるが、住宅地は途切れぬまま、想像を絶する急坂になりハイエースの後輪が何度も空転して焦る。
この激しい地形が六甲の魅力、などとうそぶいている場合ではなく、ほんとうにシビアな急坂がひとだんらくしたと思ったら、北山貯水池のある高台に出ていた。
頭部は女性で体は牛。
六甲に「牛女」の伝説が残る池を探していて、数年前に間違って違う弁天池に行っていた。今回は場所を吟味してのリベンジである。
しかし案内板には空海のことは書かれていても、牛女の話は微塵も出ていない。寺公認の伝説というわけではないようだ。
なんでも戦国時代、織田信長勢に追われた城主の姫がこの寺に逃げ込んだものの、敵勢に放火され、熱さのあまり池に身を投げたという話。今でも深夜丑三つ時にここに来ると、牛の蹄の音が階段を上がってくるいうミステリースポットにもなっている。
寺公認の伝説ではないかもしれないが、織田信長に寺が焼かれたことは史実として案内板にも記されている。
さて、目の前に見る池は身を投げるほどの深さはなく、小さい。しかし木々が岸まで迫る雰囲気は少々、気を抜けないものも感じる。長居するのも気が引けて、早々に退散した。
案内板によれば、この地には牛女よりはるか昔に、ソランジンという火を吹く大鷲の姿をしたもののけが君臨していた。ソランジンという名に魅力を感じるが、ともかく空海さんがこのソランジンを調伏し、鷲の名をもつ鷲林寺の由来となった。

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マークした場所は池の場所のピンポイント。