樋知大神社(ひじりだいじんじゃ)。
聖高原の湖沼群の中でも、秘池の様相をたたえる神秘の水辺である。
山腹にある湖沼群では中牧池に次いで標高が高い、ごんげん池の堰体下に位置するが、空からも道路からもお種池の姿は厚い鎮守の森に隠されて気配さえ感じとることができない。
空撮写真では、ごんげん池の手前に赤い神社の屋根が見える。じつは参道がごんげん池の堰体下までつづいており、写真では見えないが奥社のような雰囲気で御神体が祀られている。この神殿の袖から背後にまわると、お種池がやっと姿を現してくれた。
小さな池ではあるが、湧水を水源とする池からは小さな滝となって水が流れ落ち、沢となって聖山の北斜面を下っていき、やがて山あいの田畑を潤す恵みとなっている。
驚いたことに庭池ほどの小池なのに大小のイワナが泳いでいた。自生するには池が小さすぎるし、誰かがエサを与えているのだろうか。しかし幼魚もいたので、この池で繁殖しているようだ。まさに奇跡の秘池。
長野県の「名水・秘水」および長野市の天然記念物に指定されている。
マークした場所は駐車スペース。お種池は地図には記載されていないが、樋知大神社本殿の裏にある。