この不思議な楽園感は?
沖縄県総合運動公園にある二つの大きな池のひとつ。
森の池という名だが、魚の島、亀の島という二つの楽園的な島を橋が結び、展望楼もあって明るくオープンな雰囲気。
池は泡瀬干潟に突き出した半島の中にあり、南岸側はこんもりと木々が茂る丘に接する。丘の向こうは海。
かつてこの半島は奥武島という島だったようだ。沖縄には同名の島がところどころにある。死者を舟で葬送する島に付せられた名だという。
そういえばもうひとつのユイ池からは、海までまっすぐな遊歩道がのびていて不思議な感じがした。そのときは分からなかったが、彼我の感覚といおうか。
この森の池から出る水路は海に向かっている。公園造成時に造られた池だとばかり思っていたが、島だったころは南側の丘のような木々に囲まれたくぼ地で潮が出入りしていたのかな、と目を閉じて想像する。
不思議な楽園感は、かわいらしい橋や植樹、あずまやの雰囲気から来るものだけではないらしい。
ふと水面近くにウナギのような黒い影が身をくねらせながら上がってきた。体長1m近くあろうか。ナマズかと思ったが、長すぎる。あわてて追いかけてみると、いつの間にか二尾になって、もつれるように泳いでいる。
日本中の公園池でいろいろな生き物を見てきたけれど、オオウナギは初めて。やっぱり不思議な池である。
オオウナギ?
公園の池だけに巨大ウナギの出現に度肝を抜かれたが、じつは沖縄では北部の川などでは、ふつうに生息しているらしい。
最大体長2m、体重20kg!
本土では生息地が天然記念物になっているイメージもあったオオウナギだが、ニホンウナギよりも味に劣るとされ、沖縄では蒲焼きなどで食べる文化はないので、物好きでもない限り捕る人もいないようだ。
池を彩る工作物。
ユイ池の方は園内各所にある案内板に名が記載されていましたが、「森の池」の方の名が記されているのは望水亭近くのこの看板だけでした。
マークした場所は駐車場。