冬だけ池になるめずらしい潟湖。
冬以外は水を抜いて水田になってしまうという、まことにめずらしい池。
成因は海の内湾が砂州によって堰き止められてできる潟湖で、田んぼに水を張ったら池に見えましたなどという小手先の池ではなく、由緒正しい天然池である。
訪れたときは山に残雪の残る春先だったので、うまくいけば池から田に変身する途中の姿を見ることができるかと期待したが、池の中央を走る水路の改修工事を行っていたため、冬場も水を満たさなかったらしく、ただ水路と水田が広がっているだけだった。
池畔にあたる場所には杉谷神社があり、ここに日光池についての案内板と駐車スペースがある。案内板には日光池が水を満たしている状態の写真があった。いつか自分の目で見てみたい。
不思議な横穴もあるが、これは生姜穴(しょうがあな)といって池周辺で収穫される名産品の日光生姜を保存しておくための穴だという。ショウガ好きなので、次の池参りの際には日光ショウガも買ってみようと思う。
由緒ある池らしく、興味深い池伝説も伝わる。
池を水田にしたことによって池のヌシが海に逃げだし、「蛇鯨」なる奇妙な外見の魚となった。村人らはヌシの恨みを怖れて、日光大明神を建立したという。しかし、のちになって捕えた蛇鯨を食べたら、祟りでお腹を壊したという話も伝わっている。蛇鯨とは、実存するリュウグウノツカイなのだろうか。
「冬だけ池」がふつうの池にもどった水尻池が、日光池の2kmほど東にあります。地理的に近く地形や成因も似ているので、往年の日光池の姿を求めるなら水尻池に行けばヒントがありそうです。
マークした場所は駐車スペース。