【まおいがいけ / まごいけ(まごいがいけ)】

2025年12月、NHK「日本百低山」で紹介
湖面標高550m。ブナの森をまとった山のふところ深くにある天然湖で、名主の娘と恋に落ちたという大蛇が棲む伝説が残る。
谷と谷にはさまれた台地上に穿たれた周囲長800m程度の池なのに最大水深は20m近くもあり、大蛇と限らずヌシといえそうなものがひそんでいてもおかしくないと思わせる凄味がある。
2025年12月、この池はNHK『日本百低山』「番屋山」編で紹介された。
雨生ヶ池へのアクセス
ビジターハウスと駐車場
国道から雨生ヶ池へと向かう県道に入って8km、さらにクルマのすれ違いが難しい狭隘路を進むこと4kmほどで、ようやく登山口へとたどり着く。
ありがたいことに、この登山口には2015年にきれいなビジターハウス(吉ヶ平山荘)と付随する釣り堀、駐車場が整備されたので、ほっとする。
ビジターハウス周辺の川は吉ヶ平フィッシングパークというトラウトの管理釣り場になっている。上流側には立派な砂防堰堤もあった。







登山路
山荘からキャンプ場側の登山道は、大池へと到る。
雨生ヶ池に行くには、この道ではなく、山荘先の橋で川の対岸(左岸)に渡り、堰体の方へとのびる林道を進む。やがて林道は登山道へと様相を変えていく。
途中、二ヶ所、分岐があるので注意。



雨生ヶ池に到着
登山口から30分ほど歩くと雨生ヶ池に到着。
雨生ヶ池の歴史と景観
金属と池番
NHK「日本百名山」(2025年12月放送)によると、江戸時代には池にはつねに二名の番人が常駐し、よそ者を追い返していたという。また、木を伐らせないため金物を持ち込むことが禁忌とされた。「金物を持ち込むと大雨になる」という言い伝えは、伐採しようとする者への脅しとも考えられる。
金物の町・三条の産業を支えた水源なのに、金物が禁忌というのもオツだ。
池の形状と成因
池尻がすぼまった逆三角形の形状をしており、成因タイプは天然の堰き止め湖であろうか。
池尻がすぼまった逆三角形形の山池としては、宮城県の桑沼がある。
景観
ブナの原生林に覆われた池だから日ざしが遮られ暗いには暗い。しかし不思議と妙な気味悪さは感じない。湖面で小さな音を立てながら、波紋が次々と踊り広がっているせいだろうか。

雨生ヶ池の魚類と生物
アマゴイルリトンボ
この池で昭和27年に発見され池名から命名されたアマゴイルリトンボも生息。
下の写真の右下に見えるイトトンボのようなトンボは、アマゴイルリトンボ? 魚を撮っていたら偶然、写っていた。


魚類
10センチから15センチほどの赤っぽい魚が群れていた。シナイモツゴだろうか。この魚、もともと新潟県の在来種だが、平野部などでは国内移入種であるモツゴやタモロコに追われ、今や山間部に残るだけだそうである。





雨生ヶ池の池伝説と祭り
雨生ヶ池の主だった大蛇と名主の娘「笠堀姫」の恋にまつわる伝説にちなみ、毎年8月第4土曜開催の「しただふるさと祭り~雨生の大蛇祭~」が開催されている。
この祭りでは長さ8m、頭部の重さ500kgの大蛇を模した木製の御輿をかついで練り歩く。大蛇の上には笠堀姫に扮した少女が乗る。女性が御輿の上にのるというのは、なかなかめずらしい事例なのではないかと思う。
祭りはさすがに山奥の池で行われるわけではなく、会場は三条市内と八木神社周辺である。また、大蛇伝説を取り入れているが、祭り自体は平成10年からのもので古来の伝統行事というわけではないようだが、若者たちの元気な姿を見ることができる。
ほか「雨生物語」、「シロツブ(白田螺)」などの伝説があるようだが詳細がよく分からないので、再訪時に現地の資料図書などをあたってみたい。
池名は難読
日本唯一のユニークな池名であるが、雨生ヶ池のほか、雨生池、雨ヶ池などの記述も見られる。
読みも難読で、「まおいがいけ」のほか、「まごいけ」「まごいがいけ」などが見られた。当ブログでは公開時から「まごいがいけ」を採用していたが、2025年、現地オフィシャルサイトで使われている「まおいがいけ」を筆頭に他読みを併記することにした。
マップ
ニッポン湖沼図鑑マップ

Googleマップ
マークした場所は登山口駐車場。
