水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

産沼(岩手県一関)

うぶぬま。

二百名山・栗駒山の「動と静」の山池

栗駒山(1,626m)の山腹にある山池のひとつ。
2022年夏現在、火山活動のため立ち入りができず、硫黄の匂いが漂う昭和湖を「動」の池とするなら、こちら産沼は「静」の沼といえる。一方、強酸性の水質の昭和湖は生物が棲めない死の池であるが、産沼は緑に包まれた穏やかな生の沼という側面もあろう。
登山口の須川温泉にも源泉や貯水池があり池めぐりに魅力を添える。
産沼の上下には似た形態の池が三つあったが、名残ヶ原湿原と併せてこのページに掲載した。

 

産沼の立地と形態

七合目あたりのなだらかな山腹に立地

湖面標高1,370mほど。周辺地形は台地状で頂上まで比較的なだらか。
沼はすり鉢状の灌木に囲まれ全体的に浅い。上段のすぐ隣にもうひとつ同規模の池があるが、表層流の通水関係は見られない。


池の構造

標高の高い南側に湿原状の流入口がある。吐き出しは対岸側で、オーバーフローした水が登山路に合流するかっこうになっていた。



三つの沼の位置関係

池の下は深い沢になっている。

水質と動植物

水透明感があるが、底質のせいかやや茶色がかっているようにも見える。苗代状に水生植物が生え、オタマジャクシが泳いでいた。
沼の周囲で見た植物も入れておく。



 

下段の池

もうひとつ下側にも同形態の池がある。



 

ハートの形の雪渓

産沼の少し上に雪渓がある。産沼の水源にはなっていない。

 

名残ヶ原

「産沼コース」の途上にあり、栗駒山では筆頭格の広さを持つ湿原が広がる。カモシカがこっちを見ていた。


湿原が終わると昭和湖への分岐を経て渡渉


 

須川高原温泉の登山口

ビジターセンターと温泉があり、駐車場、トイレも。


源泉


温泉の貯水池


登山口



 

登山路(産沼コース)と植物

登山路は歩きやすく整備されていて、産沼までの間には特に難所というような所もなかった。



 

Googleマップ