水辺遍路

訪れた全国1万1,450の池やダムを独自の視点で紹介

鞍掛沼(岩手県一関)


それを見た者は三日で死ぬ? 湖面に浮かぶ金色の・・。

栗駒山湖沼群のひとつで、標高530mの登山道の途上にある周囲長600m級の湖沼。
現在は岩手県に属するが、わりあい最近までは宮城県に属していたらしいが、この沼にまつわる伝説は宮城県側にいくつかのバリエーションとともに「鞍掛伝説」として言い伝えられている。
源義家、源頼朝、地元の殿様など、話によって異なるところはあるが、共通しているのは追っ手に搦め捕られそうになった主人の犠牲となった馬が沈んだあとが沼になったというもの。このとき馬とともに沈んだ金の鞍が湖面に浮かび上がるときがあり、これを見た者には災いが訪れるという。ハードなものになると、金の鞍を見ると三日で死ぬというから、これは知らずに行ったのはうかつであった。
ただしキン鞍はランダムに出現するわけではなく、旧暦の五月五日か七月七日(伝承によって異なる)に現れるようなので、ゾロ目の月日に気をつければ死ぬことは避けられそうだ。うわ、今日、ゾロ目じゃん・・。

地形と形態

栗駒山の南麓の長い裾に立地。近くにはアタカ沼ともうひとつ似た形態の池もあり、成因別には堰き止め系の天然湖沼であろうか。ただ、水源として利用されていた経歴があるので、取水設備が設けられている。
深いブナ森に囲まれており、湖岸のほとんどをブナのオーバーハングが占める。
昔は池畔までクルマで乗り付けられたようだが、現在は沼の手前150mのところに車止めと駐車場が設けられており、徒歩でのアクセスとなる。わずかな距離とはいえ、熊が出るようなので、かなりどきどきした。
同名の水辺は、秋田県にもある。


奥に見える笠雲をかぶった雄大な山が栗駒山



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マークした場所は駐車場。