鎌倉殿・源頼朝に滅ぼされた奥州藤原氏。その一派の樋爪季衡(ひづめすえひら)がよく泳いだと伝えられるのが、この五郎沼。
季衡は天然の沼に堤を設けて農業用貯水池に改造したとも考えられている。池岸は自然護岸が多く昔の姿をよく残しており、春には桜の古木が水面を彩る。鯉だろうか、魚の気配も濃く釣趣を誘われるものあり。簡易タイプのトイレも設置されている。
また、この沼には、中尊寺ハス(古代ハス)から株分けされたハスが植えられた蓮池が隣接している。
鎌倉幕府の祖である源頼朝に滅ぼされた奥州藤原氏。その一族で、唯一、この地で生きながらえたのが季衡の兄、俊衡だった。
頼朝によって晒し首にされた藤原泰衡の首をそっと持ち帰り、ハスの種を添えて首桶に入れ、中尊寺金色堂に納めることができた人物は、この俊衡をおいて他にないと、五郎沼のほとりに立てられた案内板が語っている。
研究者の手によって、首桶の中に納められたハスの種が八百年の時を経て発芽、美しい花を咲かせた。
五郎沼で中尊寺ハスの開花は7〜8月中旬の朝。開花のニュースは季節のたよりとして地元メディアにとりあげられる。
マークした場所は、五郎沼の駐車スペース入口。