水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

平家池(神奈川県鎌倉)

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鎌倉幕府の鎮守・鶴岡八幡宮の境内にある三つの池のひとつ。生き物の命を憐む仏道を体現した放生池としての機能をもつ。
源氏池と平家池を合わせ源平池と呼ぶように、両池は通水している。鎌倉幕府開幕とともに造られたというが、残党も含め抹殺したい憎きライバルである平家の名を冠した池を当時から造ったとすれば驚きである。倒した相手の名の池を、自分の一族の名の池の横に並べ、しかも互いに通水させるのは、どんな慈愛の心だろう。
もっとも源頼朝の妻、北条政子は各池に四つの島があったのに、源氏池の島の一つをつぶすよう命じ、平家には「死(四)」を、源氏には「産(三)」を、と願掛けしたという話もあるので、やっぱり怖いには怖い。
いかにも寺社池の面立ちをした源氏池に対し、美術館など西洋風の洒落た雰囲気が平家池を包む。

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