水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

トムラウシ 北沼・南沼(北海道釧路)


百名山の山頂にある日本一汚ない沼

ちょうど北海道に上陸した日に、テレビで紺碧の水面と白い雪壁のコントラストが何とも美しい池を紹介していた。百名山トムラウシの山頂わきにある北沼だった。
トムラウシ登山においてはトムラウシ温泉を起点に山頂近くで野営地に指定されている南沼にテント泊するのが一般的な行程で、自分の登山技術ではなかなかハードルが高かった。
調べていると通常の登山口のさらに奥の標高957mに「短縮登山口」なるものをがあるのを知った。トイレもあり前泊して早朝に出れば日帰りでトムラウシの北沼、南沼に会うことも可能そうだ。
山頂まで往復18km、登坂高度1540m。
昨年なら何とかやれそうな歩程だったが、体の衰えは思ったよりも早く今年はもうぜんぜんダメ。羅臼岳に至っては数キロ歩いただけで暑さで朦朧として引き返してしまった。もっともこの日は北海道全域に熱中症アラートが運用開始以来初めて発出されていたが、とにかくここ数年の北海道の暑さは半端ではない。
北海道は基本的に低山が多いので、熱帯夜だと登山口前泊での体力消耗が激しい。
トムラウシは羅臼とは違って登山口までのクルマの走行も、町から50km以上は山に入っていく。一度入れば簡単には帰って来れないので、天候をにらみながらそれなりの覚悟は必要である。過去には大量遭難事件も起きている。
もろもろを考え、今夏は断念。
あらためて心身を鍛え出直そうと思っていたところ、東大雪ビジターセンターでトムラウシ南沼に関する残念なお知らせがあったので、あえてここに記事を掲載することにした。

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登山者の用足しが問題化した山頂近くの山池の事例

たかだか糞尿と思うかもしれないが、小さな沼沢にとっては従来の植生が奪われてしまったりする。
湿原にとっては足を踏み入れるだけで、回数が重なれば植生が失われる。北海道では木道からそれて足を踏み入れた痕跡が多いと感じる。

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