【こせぬま / 氷ノ山】
関西では最高峰の池の可能性があるものの、消失の危機
霊峰・氷ノ山(ひょうのせん)は兵庫と鳥取の県境をなす標高1,509mの二百名山で、兵庫県下では最高峰、中国地方でも大山に次ぐ二位。
山頂より東に200mほど、標高1,460m地点に古生沼がたたずむ。国土地理院地図にも「古生沼(こせぬま)」の名で記載されている。
現地の看板に「西日本唯一の高地性湿原」
「沼」の名が付いているが、湿原化が進み池の生涯としては晩年にあたる。氷河期の植物が見られるのは西日本でここが唯一とのことで、現地の看板には「西日本唯一の高地性湿原」とも。また、「古生沼の高地湿原植物群落」として県の天然記念物に指定。
ただし2023年10月に訪れた際は湿原はネットで完全に取り囲まれ、ランチをしながら池に憩うというような雰囲気はまったくなかった。また水面もほとんどなく、湿原としても消失寸前の状態にあるようだ。
牧野富太郎がヒョウノセンカタバミを発見
この沼では植物学者・牧野富太郎が昭和12年8月8日にヒョウノセンカタバミを発見している。
古生沼の危機の意外な原因
古生沼の消失を加速させてきたのが、なんと登山者の排泄物だった。貧栄養下でしか育たない古くからの植生が、糞尿の栄養で育った植物に駆逐され危機にある。
古生沼へのアクセス
アクセスルートは複数
鳥取県側からのアプローチ
冬季閉鎖でアタック失敗。
大段ヶ平コース
交通事故でアタック失敗
2022年秋の初回アタックは雪による通行止めで失敗。
同年秋の再アタックも登山口直前のヘアピンカーブで対向の大型トラックと接触脱輪。携帯電話も通じず事故処理のため3時間をロスし空撮のみで登頂は断念。
大段ヶ平コース途中の「ぶなのしずく」
東尾根コース
登山口と駐車スペース
2023年10月末にアタック。駐車スペースあり。トイレはないが通信状況は頂上まで良好(au)。
分岐の避難小屋
東尾根に這い上がるまで標高差200mの急登。尾根に上がると避難小屋とベンチがあり一息つける。
東尾根
緩傾斜で気持ちのいい尾根歩き。しかし、めざす氷ノ山の眺望はない。
一の谷(水飲み場)
東尾根が一の谷で尽きる場所にあたる。ここからは氷ノ山の本峰を巻いて登る。
神大ヒュッテ
古生沼への分岐道標
氷ノ山の頂上
古生沼からは緩傾斜ですぐ。頂上に避難小屋と、ちょっと下ったところにトイレあり。
GPSログ
マップ
池さんぽマップ