水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

駅ヶ池(兵庫県加古川)

うまやがいけ。

奈良時代からの池伝説「片目の鮒」

奈良時代に念仏を唱え衆生を助けた教信上人が農民のために造ったとされる池。このフランクな市井の聖人は、あるときいただき物の鮒を食べていたところを見られ「坊主が肉食うたらあかんやろ」と咎められた。
食う食わないに囚われてはならぬ、真の姿を見よ、という意味だと思うけど「食うもよし食わぬもよし」と、もごもご口で咀嚼していた鮒をぺぺっと池に吐き出すや、もとの魚の姿になって、しれっと泳ぎだした。しかし、片目だけはすでに上人の胃袋の中だったのか、泳ぎ去っていく魚は片目だったと。
そんな池伝説があり、土地の人はこの池に棲む片目の鮒を「上人鮒」と呼び、釣りあげても逃がす風習があったという。
今ではすっかり市街地化が進み池畔には国道とローソン。

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