【はいらないがさわ】
神津島の天上山頂にある水配り神話の舞台
伊豆諸島への水配り神話の中心地、神津島。
神々が集まる島として、昔は「神集島」とも書いた。
天上山が巨大な水がめとなって豊富な地下水が蓄えられており、まさに天然の巨大地下ダムを持っている島といえる。そんな神津島の神さまは伊豆七島に水を分配するための会議を催し、集まった島々の神さまに水を分配。しかし利島の神さまだけが寝坊して遅れてやって来たが、時すでに遅し。
水はほとんど残っておらず、怒った利島の神さまは会議の会場だったこの池(不入ガ沢)で大暴れ。わずかな水も霧散し、かわりに神津島のあちこちから水が湧き出すようになった反面、利島はその後ずっと水不足に悩まされることになったという。
神様の世界でも、遅刻は厳しいのだ。
それと不入が沢は読み方が・・。神話時代からあるなら、「いらずがたく」とかそんな読みになりそうなものだけど「はいらないがさわ」って現代ふうの読みは、逆に不思議な感じで神秘的? 何か隠されたマコトの意味があるとか? 間違いのようにも思うけど、現地のオフィシャル看板で読みが「はいらないがさわ」と明記されているし。
一応、神聖な場所なのでこの池に入ってはいけません、という意味ということにはなっているけど。
不入ヶ沢での水分配会議のようすは、港のある前浜にモニュメントで活写された池がある。





火口跡の雨後出現湖
天上山山頂には数十もの火口跡があるようだが、ほとんどのものは水がない。不動池なども雨の多い時期のみ湛水する状態。
伊豆諸島では全体的に雨後出現湖が多い。
不入ガ沢の後ろには天上山最高峰
不入ガ沢の横にそびえている岩峰が、天上山で最高標高の三角点がある峰。遊歩道あり。
不入ヶ沢の隣に大崩落痕
天上山の裂け目とでもいうべき大崩落痕。
この裂け目は神津沢となって港町へと流れ下る。途中には大きな砂防ダムも。
この「第五号砂防堰堤」は昭和46年の竣工当時は国内最大級の砂防ダムだったそうだ。下の写真にも砂防ダムが写っている。
天上山の最高地点