存在しないダムの名と、存在しないことになっているダム
カーナビでは「出ヶ浦平地」(「地」は「池」の誤記か)と表示されていたが、2021年現在、Googleマップで「出ヶ浦平池ダム」という表記が新たに追加されていて驚いた。
どう見てもハイダムスペックを満たしそうな堤体ではない。
一方、1kmほどの近くに「出ヶ浦溜池」という、まったく別の池がある。そちらは「ダム便覧」未掲載だったが当ブログで以前、まず間違いなくダムだろうと紹介したことがあったので、地図担当者が名前だけ見て勘違いしたのだろうか。ざっと探したところ、ほかに「出ヶ浦平池ダム」の根拠となりそうな情報が出てこない。
名前の勘違いと、池の取り違えが生んだ珍名?
福岡県のオフィシャルため池データベースを見てみると、「出ヶ浦溜池」の方は堤高22.6mとして掲載されている。しかし出ヶ浦平池ダムも出ヶ浦平池にしても、そんな名前の池はない。
となると、そもそもベースとなった地図自体が間違いなのか、それとも、ため池データベースの記載に漏れがあるのか。
出ヶ浦溜池とこの池とは泌川が間を隔てており直接の通水関係はないようだが、立地的にこの池を「出ヶ浦平池」と名付けることはそれほど不自然ではないように思える。
しかしながら「原」という住所で公式データベースに登録されている池はひとつだけで、堤高3mの「大堤池」。
順当に考えればこの大堤池がこの池の正しい名ということになろうか。