立雲峡。
「天空の城」感が素晴らしい展望所が池の下に。
「天空の城」としてすっかり有名観光地の仲間入りをした感のある兵庫県朝来の竹田城。
石垣だけの本来はあまり目立たない山城である竹田城を全国に知らしめたのは、揖保川をはさんだ対岸側にある朝来山「立雲峡(りつうんきょう)」から見下ろしたマチュピチュのような天空感のある好アングルのおかげといってもいいだろう。
もともとは地元カメラマンら知る人ぞ知るといった撮影スポットであったが、近年は押し寄せる観光客に対応するため急ピッチで展望所へのルートと駐車場が整備されつつあった。
狭くすれ違い困難なアクセス路も今後、改修されていく可能性もあるものの、人気の高さによってはマイカー規制の方向に進んでいきそうな感じもした。
さて訪れたときは建設中だった展望所駐車場はトイレも用意されて利便性はよくなった。とはいっても、ここから徒歩で急坂を20分ほど登っていかねばならないことにかわりはない。やはり暗いうちから雲海の中に差し込む日の出を狙ったカメラマンたちがぞくぞくと山に入っている。第三展望所、第二展望所を経て、やっと第一展望所へ。
第一展望所の前列はすでにカメラマンたちの三脚が並んでいた。
ここは撮影者のために、ひな壇状の足場が整備されているので後列でもしっかりと竹田城の姿を見ることができた。
ここから先の道はカメラマンたちも入ってこない。少し登っていくと、おめあてのおおなる池が木々のあいだから現れた。
砂防ダムのような小型のコンクリート製の堰体で、見える範囲の池岸は石積みの護岸。水の色は絵の具を溶かしたようなうぐいす色だった。
池がくびれたところにはハイキング路の一部として小さな橋もかけられている。
同名の池としては、鳥取県伯耆郡に全国ため池100選にも選出されている大成池(おおなるいけ)がある。