水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

千代池(東京都神津島)

せんだいいけ。

黒島展望台に登る途中の踊り場から見おろす千代池。一生忘れることのできない池風景のひとつとなった。(2022年5月撮影)

 

固有種ユリの咲く「洋上のアルプス」が頂く山池

神津島にそびえる天上山は「洋上のアルプス」とも称えられるテーブルマウンテン。闊達な山頂台地には火口跡が点在する。千代池はそんな火口湖のなかでは最大のものだが、常時湛水ではなく雨後出現湖の形態をとる。
2022年1月に初めて訪れた際は完全に干上がった状態だった。水のたまった状態を見たくて5月に再訪したところバッチリ。
灌木の中からひときわ背伸びして姿を見せるサクユリが」という池案内板の表現がいい。サクユリは伊豆諸島固有種のヤマユリで白い大輪の花をつけ、この池を彩るシンボルにふさわしい。


 

千代池・・天上山最大の火口湖

池の地形

山頂台地のエッジ近くにあり、土砂の流入で浅い。明瞭な流入口はないがパラボラアンテナのような集水地形になっている。



黒島展望台から見た千代池

5月の湛水期。それでも水位は満水時の半分ほどか。



スギゴケ群落の島

池の中にはこんもりした島状のスギゴケ群落がある。


池岸

テーブルとベンチがあり池ごはん最適池。


文政の石積み跡

池を見おろす位置に文政の石積み跡がある。江戸時代に海防拠点として有事には外国勢を山の上から迎え撃つ防備。

百代池(仮称)

千代池の80m北西の山腹に、よく似た形態のもうひとつの池がある。名前が分からないので、とりあえず千代(せんだい)よりひとまわり小さいので百代と仮称をあてた。下の写真は千代池とのツーショット。左が千代池。
湖面標高は千代池より高い。

 

登山道と登山口

天上山のおもな登山口は二つ。いずれも町から歩いて行ける。
標高はわずか500m余だが、まるで標高二千メートル以上の高山を登っているような錯覚に包まれる。
闊達な空中庭園のような山頂からずっと降りたくなくなるぐらい。三時間も山頂に滞在したのは、人生で初めて。


黒島口

黒島口の登山路は終始、眼下に眺望が広がり飽きないが、強風にさらされる。休憩スポットも少ないが数カ所にベンチが設置。
千代池には黒島口からのルートが近い。池の手前に分岐あり。


あと一歩。この上に広い庭園のような山頂が広がっている。

千代池への分岐


山頂台地(天上山テーブルトップ)

まさにテーブルマウンテン。山頂高原にぽこぽこと峰々が林立し、火口やくぼみには雨後出現池も。




白島口

こちらの登山口は入口が地味で少し分かりにくい。登山口から少し登った林道との分岐点にトイレあり。杖の無料貸し出しも。
キャンプ禁止。





 

神津島の島池さんぽマップ

神津島の島池さんぽ ver.1.0(2022)


bunbun.hatenablog.com