水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

八楽溜(滋賀県東近江)

はちらくだめ。
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伝統のオオギ漁が水上運動会に発展?

水が抜かれ水位の下がった池。人がすっぽり入るほどの大カゴを持った男たちがヨーイドンを待つ緊迫した表情。
大カゴは竹製で「オオギ」と呼ばれる漁具。足元を通った魚の気配をたよりに、ずぼっと上からかぶせ、上の穴から獲った魚を取り出し高らかに掲げる。池の周囲にいる人たちから歓声があがる。まわりでは子どもやお母さんたちが「ミスクイ」という小魚用の網を持ってにぎやかだ。
この光景、今の運動会そのものだが、江戸時代から四年に一度の行事として昭和37年まで続けられていた。いったん廃止されたが平成10年に復活。
オオギ漁は、単に漁業というより地域住民の交流の場であり、ハレの場でもあった。また、池底の泥を攪拌して流す効果もあり(「泥さらえ」)、ため池の機能保全の役割も担っていた。
今では親水公園化され、水上運動会も開催されている。
釣りは禁止。

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