水辺遍路

訪れた全国1万1,450の池やダムを独自の視点で紹介

松川湖(静岡県伊東)

【奥野ダム】

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伊豆半島では、なぜか、これだけの規模のダム湖は唯一。

伊豆半島随一の規模をもつダム湖。

伊豆半島は何ともいえぬ地形的魅力をもっている。理由はプレートのマジック。三つの大きな大陸プレートがせめぎ合って生まれた地形なのである。
しかしプレートと関係あるのか、なぜか大型ダム湖や天然湖は希少・・というより、じつはここ伊東にしかない。
さすがに雄大、幽玄とまではいかないものの、ダム湖らしい規模感と水遊び広場や展望広場、遊歩道などの親水設備をもったダム湖は、伊豆半島ではこの松川湖が唯一。
半島全体が温泉観光地といって過言ではない伊豆半島で、ほとんどダムがないというのは不思議な気がする。天然湖が多いかといえばそうでもなく、周囲1kmを越えるものは一碧湖ぐらいしかない。伊豆を代表する人造湖である松川湖とわずか3kmほどしか離れていない場所にある。さらに半島でもっとも摩訶不思議でパワーオーラが噴出する大室山も近い。何やらすごいものがこの地にはひそんでいそうな気がする。

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松川湖、一碧湖、大室山の位置関係。

堰体の型式はロックフィルダム。伊東市の水道水源と洪水調節を兼ね備えた伊豆半島では初の河川法上のダムだという。
なるほど複数の沢が流れ込み、集水するには絶妙の立地。
堰体およびダムサイトには駐車場、ダム資料館。堰堤下にはおくの公園。
左岸側を中伊豆バイパスが走り、途中、二ヶ所に駐車場への引き込み路があり、公園化されている。本流側の公園、支流側の公園のいずれにも水遊びできる親水ゾーンが設けられているのもうれしい。
湖畔園地では初春はロウバイ、4月中旬シバザクラ、6月には湖畔で蛍の観賞会も行われるなど、伊東市民の憩いの場となっている。
遊歩道は4.8kmあり湖周を散策できる。

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河津桜、ロウバイは早春には花をつける。右はオブジェ。


 

釣りは遊漁料が必要。

釣りはトラウト(ニジマス・アマゴ)を対象としたルアー・フライ釣りができるが、漁協により細かいルールが定められている。ブラックバス釣りやソフトルアー、エサ使用の全面禁止だけでなく、ミッジフライやダブルハンドの禁止区域が設定されているなど細かい。ダム上流部は申田川分岐より上流は禁漁区となる。
ポイント等は漁協のHPに記されているが、ログハウス前は足場もよく回遊するトラウトがまわってくるオススメのポイントだそうだ。
入漁料1000円。堰堤横、ほか左岸インレット側に二ヶ所、駐車場がある。

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ログハウス前駐車場と現地の遊漁案内板。(出典:伊東松川漁協HP)


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エコーブリッジ側の流れ込みではフライフィッシングをする人の姿も。


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夏場の松川湖。


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堰体と洪水吐。


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エコーブリッジとエコーブリッジ側の駐車場、案内板。


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展望広場側の親水ゾーン。


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堰体横の駐車場と案内板。
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エコーブリッジ側の駐車場のすみっこに、なぜかひっそりたたずむ鳥獣供養碑。じつはダム名になっている「奥野」は、昔は源頼朝も愉しんだという有名な狩り場の地名。巻き狩りの余興で行われた相撲で、河津三郎が必殺技で勝利。そんな逸話が「曽我物語」へとつながっていく。
それにしても、なぜ奥野湖ではなく松川湖? 伊東の町を貫く伊東大川を地元では松川と呼んでいたことにちなむそうです。

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マークした場所はエコーブリッジ側の駐車場。