ただでさえ溜め池の少ない伊豆半島。ここ吉田池は松崎町で唯一の溜め池である。あるいは伊豆半島南部を見渡しても、これだけしっかりした溜め池は唯一かもしれず、貴重な存在であることは間違いない。
池を見てまず思ったことは、伊豆半島南部に農業用ため池を造ると、こんな感じになるのかといった点。
多少の雨は降ったが、かなりマディーな水質は意外だった。
崩れやすい土質なのか、岸はインレット側の汀をのぞいて、ほぼ全周にわたって入念に粗石が積まれている。
堰体右岸側にかなり古い石碑と祠があったので、歴史ある溜め池なのだろう。
憩いの場としての親水設備もうれしい。インレットの流れ込みには遊歩橋が架けられ、水上のボードウォークやあずまやもあり、池を愛でながら一周できる。釣りも特に禁止はされていないようで、野鯉の魚影を確認。
アプローチ路は狭い生活道で、池のかたわらにも駐車スペースが1台ほどしかなく、先行者がいる場合はバックで戻ることになるので、東2kmほどのところにある道の駅を拠点に自転車か徒歩の方が安心という気もしたが、訪れた際は堰体まわりの補強工事を行なっていて、堰体下の空き地に資材が置かれていた。工事が終わればこのスペースは駐車スペースになるのかもしれない。
愛知県の知多半島や半田に同名の池がある。